カテゴリ: 中古建設機械、 自走式クラッシャー、 オリジナル重機・建機、 ガラパゴス
中京重機のオフィシャルブログです。
2017 12.03
カテゴリ: 中古建設機械、 自走式クラッシャー、 オリジナル重機・建機、 ガラパゴス
こんにちは。
「来年のことを言うと鬼が笑う」と言いますが、
来年1月9日にリリースする『CJあんしんパック』の先行情報をこのブログ内で紹介する予定です。
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さて今回は、石質破砕機の中でも中心的な存在である自走式ジョークラッシャーの歴史やメーカーについてお伝えします。
石質破砕機とは、岩や石、コンクリートなどを破砕して細かく砕くための重機です。
一般的にはあまり見られない重機かもしれませんが、以下の現場では欠かせない大切な役割を持っています。
(1)採石場(石切り場)
山から岩石を切り出し、砂利など製品としての形状にするために破砕します。
(2)解体現場
ビル解体や基礎解体で出るコンクリートガラの埋め戻し・再生骨材の製造・運搬のための軽量化などを目的として破砕します。
(3)トンネル掘削現場
トンネルの掘削工事で出た岩石を製品化・減容化・廃棄をするために破砕します。
(4)リサイクル
コンクリートガラなどの解体廃材の受け入れをしている産廃業者が埋め戻し用・再生骨材用・製品用などのために破砕します。
それでは次に、石質破砕機にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
大きな岩やコンクリートガラは、一度の破砕で思い通りのサイズに砕くことは難しいため、一次破砕や二次破砕、ふるい掛けといった作業を行います。
一次破砕は、大きな塊を砕いて小さくする作業です。
この一次破砕で最も利用されているのが「ジョークラッシャー」です。
ジョークラッシャーは大きな岩などを非常に効率よく破砕ができますが、粒度を揃えることには不向きです。
二次破砕は、一次破砕したものをさらに細かくしたり、粒度を揃えたりするために行われます。
この二次破砕で利用されるのは、伏せたすり鉢状をしている「コーンクラッシャー」や破砕材を壁にぶつけて角を取ることで粒度を揃える「インパクトクラッシャー」です。
その他に、「ロールクラッシャー」というものもあります。
これは、その名の通り、軸で巻き込みながら破砕するタイプですが、アスファルトコンクリートなど、比較的柔らかなものしか破砕できません。
自走式ジョークラッシャーは、石質破砕機の中でも中心的な存在といえる破砕機ですが、日本国内で自走式として誕生したのは1990年代と、比較的最近になって登場した重機です。
自走式ジョークラッシャーが誕生するまでは、「大塚鉄工」、「寿鉄工」、「郷鉄工」、「中山鉄工」などが製造していた定置式ジョークラッシャーが利用されていました。
しかし、解体の現場は頻繁に移動します。
また、大量のコンクリートガラの運搬には手間も時間もかかります。
埋め戻しに利用するために、一度運び出して破砕したものをさらに搬入するのよりも、その場で破砕できた方がずっと効率的です。
採石場であっても、山を削っていくにつれて石切り場が移動していくと、破砕するための運搬作業が必要になってしまいます。
そのとき、破砕機が移動できると効率よく作業ができます。
こうした現場の声から自走式ジョークラッシャーへのニーズが高まりました。
さらに1991年に施工されたリサイクル法も後押しして国内の自走式ジョークラッシャーが誕生することになったのです。
国内メーカーの先駆けといえるのは、コマツ建機の「BR200」です。
コマツ建機製の走行体に川崎重工製のジョークラッシャーを搭載した構造でした。
また、キャタピラー三菱がリリースした「MRC36」は、キャタピラー三菱製の走行体 + 大塚鉄工製のジョークラッシャー。
日立建機がリリースしたHR(HR320、HR420)シリーズは、日立建機製の走行体 + 中山鉄工製のジョークラッシャー。
このように、初期型の自走式ジョークラッシャーは、重機メーカーの走行体 + 定置式破砕機メーカーのジョークラッシャーという構造になっていました。
実のところ、中京重機では、これらの国産メーカーよりも一足早い1987年頃にオリジナルの自走式ジョークラッシャーを製作し、販売していました。
当時、解体業のお客様より、「コンクリートガラを現場で破砕したい」という声が多く寄せられていました。
その声に応えようと、日立建機製の走行体と郷鉄工製のジョークラッシャー(発電機も)を組み合わせて中京重機オリジナルの自走式ジョークラッシャーを製作した、という経緯があります。
当時このような動きは全国各地で起こっており、鉄工所を持つ中小企業がお手製自走式クラッシャーを製作していたようです。
ジョークラッシャーの歴史や中京重機のオリジナル自走式ジョークラッシャーについては、弊社の加藤社長がブログで詳しく書いていますので、ぜひこちらもお読みください!
自走式ジョークラッシャーは黎明期を超えて、国内メーカー各社がそれぞれの動きをしていきました。
キャタピラー三菱(現・日本キャタピラー)は、2000年代に入り、MC230やMC220など新型の自走式ジョークラッシャーをリリースしましたが、現在では製造を中止して、ヨーロッパ(サンドビック社)製ジョークラッシャーを輸入・販売しています。
コマツ建機は、蓄積したノウハウをもとに、独自の自走式ジョークラッシャーの製造を行い、BR380JGに代表される「ガラパゴス」シリーズを販売しています。
日立建機は、2000年頃からヨーロッパのノードバーグ社製の自走式ジョークラッシャー・LTシリーズ(LT80、LT105、LT125)を輸入する方向にシフトしました。
さらにその後は、日立建機の走行体にノードバーグ社(メッツォ)のジョークラッシャーを載せたZRシリーズ(ZR950JC)を販売しました。
こうして、現在の国内メーカーの扱う自走式ジョークラッシャーは、コマツ建機のガラパゴスシリーズVS海外の正規輸入機となっています。
さて、自走式ジョークラッシャーを選ぶとき、最初の選択肢となるのが「国内メーカーか」「海外(ヨーロッパ)メーカーか」です。
国内メーカーの代表ともいえるコマツ建機の自走式ジョークラッシャーは、完成度が高く、使いやすい重機ですが、ヨーロッパ製よりも少し小ぶりです。
ヨーロッパ製の自走式ジョークラッシャーは、大型で大きなパワーがあります。
しかし、部品調達面で少し不安があります。
日本にある輸入販売代理店がしっかりしていれば、よく利用される交換部品はストックされています。
しかし、交換頻度が低い部品は空輸などでヨーロッパから取り寄せなければいけないため、どうしても修理に時間がかかってしまいます。
こうしたメンテナンス面での不安から、国内メーカーの「コマツ建機のガラパゴスシリーズ」やヨーロッパ製の破砕機を載せていても部品調達が安定している「日立建機のZR950JC」といった、国内メーカーの自走式ジョークラッシャーが多く流通しているのが現状です。
採石場や解体現場で活躍している石質破砕機には、一次破砕に向いたジョークラッシャーの他、二次破砕に利用されるコーンクラッシャーなどがある。
国内で自走式ジョークラッシャーが製造され始めたのは1990年代から。当初は重機メーカーの走行体と破砕機メーカーのジョークラッシャーが組み合わされていた。
自走式ジョークラッシャーの現在の2大メーカーはコマツ建機と日立建機。
ヨーロッパ製の自走式ジョークラッシャーはパワーがあるが、部品調達面で不安があるため、国内メーカーの製品の流通が多い。
A.S.
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