中京重機のオフィシャルブログです。
2016 10.08
カテゴリ: 重機、 建機、 建設機械、 油圧ショベル、 重機部隊、 中古
こんにちは。
久しぶりの登場ですが、毎回ブログのネタを考えるのも一苦労です・・今回は各方面で絶賛されている話題の
映画「シン・ゴジラ」を見てきました。
評判通り、これまでのゴジラシリーズとは一線を画す圧倒的なリアリティは、建設機械業界に席をおく人々のテンションも上げる見どころ満載の大作でした。
今回の作品は特撮やアニメでも有名な庵野秀明が監督を務めております。
残念ながらエヴァンゲリオンは見たことがないのですけれど、終始緊張感のある特徴的な演出は何とも神経質な人が作った映画だなという印象を受けました。物語の設定が徹底的にリアルでとにかく登場する人物や兵器その他がとても具体的です。しかもその数が圧倒的に多い!
このシン・ゴジラ、118.5メートルもありめちゃくちゃ強い!
自衛隊の対戦車ヘリAH-1Sはじめ10式戦車やF-2戦闘機、はたまた米軍のB-2ステルス戦闘機が束になっても歯が立ちません。
やっぱり核兵器しか解決する手段はないのか・・
この結論に真っ向から挑む日本人の姿が全体を通しての「現実 ニッポン 対 虚構 ゴジラ」というテーマなんだと思います。
この映画を見ると日本という国はとても変わった国だと気づかされます。
ほんの200年ほど前まで鎖国をして、技術の進化を拒んできた極東の島国が今日は技術立国として世界第三位の経済大国となっています。
結局、ゴジラは核兵器を使用せず自分たち日本人のみで生物学的解析や工業技術を結集することでたおすことができた(?!)のですが、それまでに出てくる機械や兵器の多いこと多いこと、
使えるものは新幹線でも体当たりさせる!高層ビルだって破壊しまくって躓かせる!とにかく狭い日本の中にこれほど大きな機械や構造物がこんなにもあったかと思うと驚かざるをえません。
さて、そんな中でもついに出ました!われらが建設機械。
映画中では民間の大型特殊建機を政府が買い取って自衛隊が特殊建機第一小隊、第二小隊、第三小隊を編成し巨大なゴジラに立ち向かいます。
さあ、それでは私が調べた建設機械をご案内いたします。
まずは、コンクリートポンプ車です。福島第一原発の冷却水投入の際にも脚光を浴びました。現代の特撮映画はCGが多用されると聞きますが、今回はCGもさることながら実際に存在する車両が出演しております。
IHI製 33mスーパーロング IPG125B
Putzmeister製 38mウルトラロング BSF38
山形県のコンクリート設備会社の所有する大型コンクリートポンプ車5~6台がゴジラに噛みつかれてブンブン振り回されます。
続いてホイールローダーです。日本が誇る世界のKOMATSUが製造する機械駆動式では世界最大のモデルです。
KOMATSU製 20m3 WA1200
なんとWA100が1.3m3ですから15倍のバケット容量。機体重量216.4トン、ダンピングクリアランスは6m以上。
これを日本のメーカーが作るのですからすごいことです。
最後に登場は、超大型油圧ショベル、写真の通り超ビッグサイズです。
Liebherr製 42m3 R9800
こちらはさすがにドイツ製、機体重量800トンは地球上でもっとも大きい機械の部類に入るのでは・・・一般的なコマツPC200や日立ZX200の0.7m3クラス(といっても結構大きい)と比較しても60倍の能力です。
今回の映画「シン・ゴジラ」では人間(日本人)とその機械軍団が大活躍してゴジラをやっつけ(!?)ます。キングギドラと同士討ちで何となく終わってよかったなという展開はありません。
それにしても日本っていろいろな機械を使う産業が成熟していると感じます、いざという時には工業技術と科学技術を結集して何かを成し遂げる力がまだまだあるようです。でももっと感動的なのはそれらを使って作戦を実行する人たち(自らの命も顧みず)がたくさんいるんだこと。
この「シン・ゴジラ」わかる人にはわかる含蓄や伏線がてんこ盛りに盛り込まれている映画だそうですね。庵野監督のリアリティ追及の執念がハンパないほど伝わってきます。日本の社会が抱える様々な問題を丸裸にして警鐘を鳴らしまくっている感じでしょうか?とくに非常事態における政府首脳や各界の権威の無力さをいやというほど描写している点は、実際におこった原発事故をモチーフにしていることもあって怖いぐらいです。
こういった問題を放置し続けると10年後にまた「シン・ゴジラ 2 」で東京にゴジラが再上陸したときには日本製の機械はおろかこの国をまもる機械も人もなくなってしまうのではないでしょうか?
いまを生きる日本人として目の前の問題から目をそらせてはいけないなと感じる映画でした。
A.S.
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