中京重機のオフィシャルブログです。
2017 04.22
カテゴリ: 重機、 建機、 環境機械、 建設機械、 自走式クラッシャー、 ガラパゴス、 中古
こんにちは。
天気予報の中で伝えられる「花粉の飛散予想」が「紫外線量」に変化していく頃ですね。
花粉情報では「スギ花粉」や「ヒノキ花粉」が取り上げられますが、花粉症に苦しめられている私としてはスギ・ヒノキと聞くと片っ端から破砕して世の中から抹殺してしまいたくなります。
職業病でしょうか?
さて、木材破砕の現場では、スギやヒノキだけでなく、様々な木材を破砕します。
木材破砕機をどのように利用すれば作業効率・生産性がアップするのか?
今回はそんなお話です。
自走式木材破砕機には大きく分けて『タブ式』と『横入れ式』の2つのタイプがあります。
効率よく木材破砕を行うための最初のステップは
『タブ式』と『横入れ式』のどちらのタイプの木材破砕機を選ぶか?です。
タブ式のコマツBR200T-1 タブ式の破砕構造
横入れ式の日立ZR260HC 横入れ式の破砕構造
「そんなこと知ってるよ!」
という方もいらっしゃると思いますが、『タブ式』・『横入れ式』の特徴を再度確認することで、今利用している自走式木材破砕機の使い方をより効率的にするヒントになるかもしれません。
ぜひ、ご一読ください。
タブ式の自走式木材破砕機は、丸い皿のようなタブの中に上から木材を放り込んで、どんどん木材を破砕します。
上から投入するタイプなので一定の太さの木材だけでなく、幹が真っすぐでない広葉樹やその抜根、または根に近い太い幹などの破砕も可能です。(大きさ等によっては小さく砕く等の下処理が必要です)
一方で、ほそ長い木材を投入する場合にはあらかじめ2メートル程の長さにカットする必要があります。
また、タブの中に投入した木材は自重で破砕機に接触していくため、自重が軽くなると破砕機が空回りしてしまい結果的にタブ内へ投入した破砕材の80%くらいしか破砕できません。
つまり・・・
大量の太い(大きい)木材、抜根の破砕にはタブ式木材破砕機!
横入れ式の木材破砕機は、ホッパーコンベアに破砕材を投入すると、押さえローラーが木材をつかんで送り込みながら破砕をします。
そのため、例えば1本だけ破砕したいという場合でも確実に破砕することができます。
また、製材加工された長い廃材もカットせずにそのまま破砕することが可能です。
ただし、破砕室入り口の高さ寸法以上の大きさ(太さ)の木材は送ることができないため、破砕できる大きさ(太さ)には制限があります。
つまり・・・
少量からの木材を破砕したい場合や、細長い木材には横入れ式木材破砕機!
古河FPC1600の稼働事例
さて、ここでクエスチョンです!!
木材の中でも「竹」の破砕を行う場合は、「タブ式」「横入れ式」どちらが適しているでしょうか?
・ ・ ・ ・ ・
答えは、『横入れ式』です。
先ほど書いた通り、細く、長いものは横入れ式の方が向いています。適度にカットすれば、タブ式でも投入することは可能ですが、横入れ式が適しているのはそれだけが理由ではありません。
竹は非常に筋状の繊維が出やすいという特徴があります。タブ式で破砕すると竹の繊維がタブの隙間にたまり、ホッパーが故障してしまうことがあります。
そのため、竹の破砕を目的とする場合には横入れ式の木材破砕機をおすすめします。
※少量の竹剪定枝破砕であれば切削カッター刃とシュレッダーハンマー搭載のミニチッパー(SR3000-1)なども有効ですが、抜根付きの竹破砕となると強敵です。そんな時はFORUS HB180やビッグバス VB450DK等の強者2軸シュレッダーを投入するのが効果的かも・・
FORUS HB180 2軸シュレッダーの竹破砕 ミニチッパーのSR3000-1 大橋製も竹破砕が得意
さて、ここで木材破砕機を利用しているお客様が実際に行っている工夫を紹介します。
自走式木材破砕機は木材を細かく破砕するための重機ですが、とあるお客様が大量の草の処理(破砕)を行うことになりました。
公式には推奨されてはいませんが、お客様は木材破砕機で草を破砕することが可能と判断したようです。
しかし、草は水分が多く繊維も多いため、草が絡まって止まってしまったり、隙間に入った草が摩擦で燃えてしまったり、という状態になってしまいました。
そこで、どうすれば効率よく草を破砕できるか研究し、「一定量の木片を草に混ぜて破砕処理を行う」ようにしたところ、トラブルなく破砕処理ができるようになったそうです。
バイオマス発電所に木材チップを納入する場合、発電所から木材チップのサイズを指定されます。
指定されたサイズの木材チップを取り出すためにスクリーンをセッティングしていきますが、どうしても穴の直径よりも大きなサイズの木材チップがすり抜けてしまいます。
そこで、規定サイズ以上の木材チップ(オーバーサイズ材)を減らし、粒度を揃えたチップを効率よく作るために、2枚構成だったスクリーンの穴のサイズが違うものを取り付けたそうです。
どんな組み合わせが最も精度が高くなるかを実験して最適な組み合わせで利用することで生産性を高める工夫をされていました。
やはり、現場・現物・現実に直面しているユーザー様ですね。研究心と解決力には頭が下がります。
できるだけ簡単に、素早く木材破砕の作業を行いたいのが人情です。本音は1台の重機で全ての仕事が完結させたいところです。
しかし、あえて2段階の処理を行っている方もいらっしゃいます。
具体的には、まず、自走式2軸破砕機で一次処理(荒処理)を行います。
2軸破砕機は2本のシャフトが低速回転しシュレッダーのよう破砕するため、金属まじりの大きな破砕材でもその強大なトルクでバリバリ砕けます。しかし、スクリーンが付けられないため一度で粒度を揃えることができません。
そのため、次にタブ式または横入れ式の自走式木材破砕機を使って二次処理を行い、粒度を揃えます。
2台の重機が必要なのでコストもかかりますし、作業も2度必要になります。
しかし、重機にかかる負担は大幅に軽減されるため、故障のリスクが減り、機械の寿命も長持ちします。
もちろん、消耗品の交換頻度も下がります。また、出来上がる木材チップの質も高くなります。
このように、木材破砕機の使用効率や生産性などを考える場合には、
購入時に必要なコスト(イニシャルコスト)など、総合的かつ冷静に判断することが大切です。
古河FPC1600のスクリーン設定と製品サンプル写真
今回は木材破砕機の作業効率・生産性をよくする利用方法についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?
私たちは様々なお客様から生の声をお聞きしています。
困った、迷った、というときにはぜひお気軽にご相談ください。
・『タブ式』・『横入れ式』の木材破砕機の特徴を理解して使用にマッチしたタイプを選定。
・効率や精度をアップさせる木材破砕機の利用事例。
・1度で木材処理をするより、2度処理を行う方が効率的な場合も。
A.S.
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