中京重機のオフィシャルブログです。
2017 07.10
カテゴリ: 重機、 建機、 建設機械、 香港、 海外、 中古
こんにちは。
先日香港に出張する機会がありました。
そこで今回は中古建機業界における香港の変遷について書かせて頂こうと思います。
私が香港の業者を初めて訪問する機会を頂いたのは2004年の事でした。当時はリーマンショックが起こる前で世界中が投資ブームに沸いていました。建機も例外ではなく、各国のディーラーが日本の中古重機を奪い合う状況にあり、その中の有力なプレーヤーの一つが香港勢でした。
一台の建機をオファーすれば何十件とconfirmationが返ってくるような状況であり、彼らは常に『在庫が足りない』と言っていました。
その後リーマンやドバイショックが起こります。香港の競合だった中東勢や欧米豪州勢が弱くなっていく中で香港のプレゼンスはどんどん大きくなっていきました。
香港の持つ大きな機能は中国本土へのハブとしてのものです。香港には現在でもそれなりの数が輸出されていますが、その多くは大陸向けです。香港を経由して輸入され深センに送られます。
そして深センにある巨大展示場(多くの中国の建機業者がブースを借りている)から全国に散らばっていきます。
かつては上海にも同様の施設があったのですが今は閉鎖されてしまいました。大陸に直接輸出するには規制がある事もあり、巨大な需要を抱えていた中国へのアクセスは香港のみとなったのです。
中国の経済成長が世界経済の成長エンジンとなり、ますます経済規模が拡大してゆく中で日本の中古市場における香港の存在は極めて大きなものになっていきました。
ピークは2013~14年頃だったかと思いますが、その頃には日本から年間輸出される油圧ショベルの70%が香港向け(当然最終仕向地は大陸です)になりました。建設機械の90%は油圧ショベルが占めますので、日本の中古の半分以上が中国に流れるような状況だった事になります。
そして2015年6月、上海株が急落しました。
バブルの終わりの始まりです。大陸における建機のだぶつきが日々深刻になっていき日本からの輸出は止まりました。中国という巨大な受け皿を失って日本の中古重機は行く先をなくしてしまいます。結果、中古重機価格は下落の一途をたどり、かつての半値でも売れないような事態になりました。
マーケットの縮小に伴って、香港業者のビジネスモデルも変化していきました。
かつて大量の在庫調達に東奔西走していた彼らが、コミッションベースでの売買しかやらなくなったのです。仲介のみなのですからかつてのようなボリュームは望むべくもありません。
日本の業者にとって現在でも香港は重要なビジネスパートナーに変わりありませんが、かつてと比較すれば彼らの存在感は相当に薄まってしまいました。中古建機のオークション会場で香港バイヤーの姿を見ない事も珍しくなくなりました。
ベトナムやフィリピン勢が台頭したことと相まって、輸出向け油圧ショベルの市場はこれらの三つ巴の様相を呈しています。
香港は中国の中でずっと特別な地位を保ってき、それはこの業界でも同じでしたが、これからの中古建機業界における香港の行く末は視界良好とは言えないと思います。
とはいえ中古ショベルに一番高値を付けてくれるのは今でも香港です。
香港で今人気のある機種はPC200-7,8,8N1,312C,D,320D BWZ,同AZR,SK200-8 YN12, SK200-9, HD830等が挙げられます。
S.H.
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