中京重機のオフィシャルブログです。
2021 09.24
カテゴリ: 重機、 中古建機、 中古重機、 修理、 スクリーン、 環境リサイクル機械
こんにちは、営業の平賀です。
9月も中旬に差し掛かり、朝夕は結構冷えてきました。
皆様におきましてはコロナもさることながら、風邪などもひかぬようにご自愛ください。
さて、今回は破砕機や選別機に付き物のベルトコンベヤについて書きたいと思います。
「コンベヤ」なのか「コンベア」なのかよく分かりませんが、英語だと「Conveyorコンベイヤー」なのでコンベ「ヤ」なのだろうと一人合点しています。
一般的にコンベヤというものはいわば脇役の様なモノだと感じる方が多いと思います。
私もかつては同様に「動くね、うん、モーターの油漏れもないねー、あー、でもベルトの端切れてるわ」程度のレベルで査定をやっておりました。
なんとも愚かです。
環境リサイクル機械の場合、実際に現場で起きるトラブルはコンベヤにまつわるものがとても多いのです。
ご承知おきの通り、コンベヤは主にフレームに先端・後端のプーリー、送りの補助機能を担うローラー各種が取り付けられ、それらによってゴムベルトが回る、といった構成になっています。
そのコンベヤの主たるトラブルはベルトの蛇行(片側に寄りすぎてしまったり、斜めに走ってしまう)が第1位で間違いないでしょう。
ではなぜ蛇行してしまうのか、その主たる原因についてこれから考えてみたいと思います。
プーリー(テールが多い)にはアジャスト機構がついており角度を調整する事ができます。これはベルトの交換時のセンター出し・経年によるズレ修正のためのものですが、経年によるテンションロッドやボルトの固着やすべりなどにより調整したつもりがプーリーが動いていない場合があります。
長期に渡り休車していた機械によく見られる症状です。
我々もここの点検を怠り、納品したはいいが「ベルトがどんどん片寄っていってしまい作業にならない」とSOSを頂き現場急行、ところがアジャスター不良で調整できないという事態に陥り、お客様からお叱りを受けた経験があります。
前もって点検しておけばよかった・・・とつくづく思ったものです。
角度の調整は重要
他方、ローラー由来のトラブルもありがちです。
ローラーには送り側(上側)に付くキャリアローラーと戻り側(下側)に付くリターンローラーが基本ですが、機械によってはウィングローラー(これはキャリアローラーの左右に斜めに取り付けられる事が殆どかと思います)が付く場合もあります。
これらは主にベルトの材料搬送をアシストする機能を果たしますが、固着やベアリング不良で正しく回転していないとベルト蛇行の一因になります。なぜかと言いますとベルトの運行に余計な抵抗が偏ってかかってしまうからです。偏った負荷のせいでベルトは真直ぐに走れなくなってしまうのです。
ローラーは触診で簡単に点検できますので大した労力は要しませんが、コンベヤカバーが付いていたら触診どころか目視もできない事もあります。あるいは機体の下部に位置するローラーは潜り込まないと点検できず、つい見過ごされがちです。
労を惜しんで、あるいは多忙に過ぎて点検を怠り、結果として重大なトラブルを招いてしまう事例は身に覚えがあるものです。
キャリアローラー リターンローラー
スクレーパーも重要な役割を果たします。スクレーパーとは材料を排出してから折り返して戻っていくベルトの表面に付着した土等をこそぎ落とすために装着されたゴム製のブレードとその支持具です。
スクレーパーが摩耗している、あるいは不良・欠損している状態で稼働させてしまうとテールプーリー不良の原因になってしまいます。
戻ってしまった土がコンベヤの裏側に入り込みテールプーリーのところに滞留していく事でベルトへの偏負荷、プーリーの偏摩耗を引き起こし、最終的にはベルトが突っ張りすぎて回らない、プーリーが空回りしている、などの事態を引き起こしてしまうのです。
スクレーパーのブレード部分の点検や交換は誰でも出来るような作業ですが、テール部の詰まり除去は非常に大変な作業(中腰で固まった土砂を掻き出す、など体勢的にも非常につらい)になることが多いです。
後で費やす労力を考慮すれば、交換基準の目安を把握して日頃からチェックする事を推奨したいところです。
スクレーパー
以上挙げました3点以外にもコンベヤの機能不全を引き起こす要因(フレームが歪んでいる、とか)はありますし、一因的というよりは複合要因的に作用している事の方が多いと感じます。調整調整また調整、でもズレていくベルトの悪夢は未だ昨日の事の様ですし、早めの対処で避けられる問題だと思います。
コンベヤは単純な装置ですからあまり注意を払われないところがあるかもしれませんが、コンベヤトラブルごときで現場を止めてしまうのは勿体ないことです。早期点検・早期対処で滞りなく現場を動かしていきましょう1!
アジャスターが機能しているかきちんと確認する
死角になっているローラーも頑張って点検する
スクレーパーが減っていたら交換!
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S.H.
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