中京重機のオフィシャルブログです。
2017 06.10
カテゴリ: 重機、 建機、 建設機械、 油圧ショベル、 中古
こんにちは。
最近の投稿では、木材破砕機や土質改良機など弊社主力の商品について書いてきましたが、
今回は、数ある中古重機・建機の中でも取り扱い件数の多い「油圧ショベル」にスポットを当ててお話します。
油圧ショベルはあらゆる現場で活躍している重機です。
だからこそ、あらゆる現場のニーズに合わせて大きさや仕様も多彩な重機です。
油圧ショベルは本体の重量(機体重量)やバケットの容積によってクラス分けされています。
重量といってもフロント部分(ブームから先)はいろいろな種類があるので走行体と上部旋回体の重さが基準になっています。
また、本体と釣り合う容積のバケットが設定されているので・・
だいたい、機体重量20トン⇔バケット容積0.7m3クラス とか 機体重量13トン⇔バケット容積0.45m3クラスになってきます。
さて、そんな油圧ショベルの最小クラスと最大クラスの大きさはどれくらいの差があるか知ってる?
その差はなんと・・・・・35億!
うそ 約5,714倍!
マイクロショベルと呼ばれる最小クラスの油圧ショベルの中で代表的なものは、コマツ建機のPC01です。
機体重量は300Kg!(稀勢の里×1.6人、バケット容量0.007m3、エンジンパワーは3.5ps)
なんと軽トラックで運搬することが可能です。
一方、世界最大クラスの油圧ショベルは日立建機のEX8000です。
機体重量は800t!!(稀勢の里×4,400人、バケット容量40m3、エンジンパワーは1,900ps)
65,000cc、19気筒のエンジンを搭載し本体車体の高さは約10m。つまり、ビル3階分ほどの高さがあります。
EX8000の動いているところ。→日立建機フェスティバル
※稀勢の里の体重は180kg/人で換算(稀勢の里 寛 公式ホームページ)
住宅が密集していたり、道路の道幅が狭かったりする日本では、小型や中型の油圧ショベルが多く見られます。
特に、水道工事などの場合は、狭い路地で土を掘る作業をしなくてはいけないため、
・狭い道にも入れる大きさ
・小回りが利くこと
などが油圧ショベルにとって重要な要素です。
そんなニーズを受けて登場したのがブーム(アーム)が水平方向にも稼働し折りたためる「オフセットブーム」です。
日立建機では"UR"、コマツ建機では"UU"、ヤンマー建機だと"シグマ"、クボタ建機だと"RX"と言われるシリーズの油圧ショベルですね。超小旋回機ともいいます。
オフセットブームは、フロント部分を水平方向に折りたためてブームを本体に近付けられるため、狭い場所でも旋回して方向を変えることができます。
また、油圧ショベルが入りにくい場所もブームの角度を変えることで掘り進めることも可能です。
また、狭い場所での作業に対応するため、足回り(クローラー)にも工夫された機種があります。
安定して作業を行うためにはクローラーの幅が大きいほうが有利です。
しかし、幅が広いと狭い道に入れないため、必要に応じてクローラーの幅を変えられる「可変脚式クローラー」を採用している機種があります。
可変脚式クローラーは狭い道に入ることを想定しているものなので、ミニショベルと呼ばれる1t程度のクラスに採用されています。
ところが、この可変脚式クローラーは40tを超える大型クラスでもオプションとして付けることがあります。
狭い道に入るためではなく、輸送の際、トレーラーに載せられる幅にするためです。
小型クラスと大型クラスで用途が全く違うにもかかわらず、同じような可変脚式クローラーが使われているのは面白いですね。
油圧ショベルには様々な仕様がありますが、その中でも国内販売的に人気なのは「後方小旋回機」でしょうか・・
油圧ショベルはブームを伸ばして利用するとき機体のバランスをとる必要があります。
そのためにカウンターウエイトを後端に配置し後ろ側に長くして重たくしています。
しかし、後方寸法が長くなると、旋回時に横幅が出てしまい作業スペースが必要になるため、狭い現場などでは同等の掘削能力を持ちながらもよりコンパクトな機体が求められます。
各社は後方小旋回機を設計するにあたり標準モデルよりも約10-20%重いカウンターウエイトを旋回軸に近づけたり上方に配置することで本体を短くしています。
小スペースで旋回できるようにしたものが「後方小旋回」や「後方超小旋回」仕様です。
市街地での利用はだいたいこのタイプが用いられます。
また、建設現場では資材等のつり上げ作業に油圧ショベルが重宝されがちですが、実は油圧ショベルのクレーンとしての使用はやむを得ない場合に限られています。
事故防止の観点から安全衛生が厳しく見直された建設現場ではこういった使い方はご法度ですが、「クレーン仕様」の油圧ショベルは国の指定するクレーン検査をクリアしているため、荷吊り作業をすることができます。MLクレーンとかニューショベルクレーンといわれるものですね。
油圧ショベルとしてだけでなく、クレーンとしても利用できるため、現場の作業を安全で効率的に行うことができます。
この小旋回+クレーン仕様で稼働時間4,000時間以内の機械がとにかくよく売れます。共用配管などついていればなおのこと良し。整備履歴と譲渡証明書(建設機械工業会指定のもの) がついていればもう取り合いです。
住友建機販売を筆頭に各メーカーも、整備保証付き中古重機や、中古展示会に力を入れていらっしゃいます。程度の良い機械の確保に努力をされているので、とてもお買い得なものがそろっています。
でも、国土の広い海外へ輸出するとなると話は別です。
旋回幅を全く気にすることのない地域では、やっぱりバランスの良い標準機が圧倒的に人気があります。
さて、油圧ショベルには大きさも仕様も多様にありますが、型番にはこれらの仕様がどうついているのかが記されています。
※詳しいクラス対応表は弊社HP内のこちらを参考にしてください。
→油圧ショベルクラス対応表[カッコ内は新JIS数値]
→ミニショベルクラス対応表[ 〃 ]
メーカーごとに表記方法が違うため、代表的なメーカーを参考に少し紹介します。
日立建機の油圧ショベルは
[ベースの機種と機体重量+仕様]
で型番が決まります。
例えば、ZX200をベースとして、後方小旋回機がZX225USという表記になります。
その上のZX240等は標準機に増量ウエイトや各部の補強で重量が増した特殊仕様機となります。
さらに本体や走行体、フロント形状の違いで記号名称が変わります。
後方小旋回 US、後方超小旋回 USR、解体仕様 K、ロングクローラー LC、オフセットブーム MR などです。
例)0.7m3クラス 後方超小旋回 ロングクローラー 解体仕様の場合「ZX225USRLCK」となります。
日本キャタピラー(CAT)は、
[機番(油圧ショベルは300番)+機体重量+アルファベット+仕様]
で型番が決まります。
例えば8tクラスの油圧ショベルは、308と表記されます。
さらにモデルチェンジが進むと、アルファベットがB→C→Dといったように1つ進みます。
後方小旋回 CR、オフセットブーム SR、ロングクローラー L
例)0.25m3クラス 後方小旋回油圧ショベルの場合「308ECR」となります。
コベルコは、
[機番(SK)+機体重量+仕様]
で型番が決まります。
また、コベルコの仕様は以下のような表記となっています。
オフセットブーム「UR」後方小旋回「SR」解体仕様「D」ロングクローラー「LC」
例) 0.7m3クラスの後方小旋回仕様の油圧ショベルの場合「SK235SR」
例)0.9m3クラスの解体仕様の油圧ショベルの場合「SK260DLC」
少しわかりづらいかもしれませんが、ごひいきのメーカーだけでも少しルールを知っておくと、希望の油圧ショベルを見つけやすくなるかもしれません。
今回紹介した以外にも、
林業に特化したもの、
解体業に特化したもの、
リサイクルに特化したものなど
特殊仕様油圧ショベルと呼ばれるものもあります。
この特殊仕様油圧ショベルについては、後日詳しくお伝えします。
当社でも様々な油圧ショベルを取り扱っておりますので、ご希望のものがあればお気軽にお声がけください。
油圧ショベルは現場のニーズに合わせて、大きさやブームの仕様、クローラーの仕様など多彩にある。
油圧ショベルで人気の仕様は、後方小旋回とクレーン仕様。
油圧ショベルの型番を覚えると、どのような仕様が付いているかが見分けられる。
A.S.
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