中京重機のオフィシャルブログです。
2017 04.08
カテゴリ: 重機、 建機、 環境機械、 建設機械、 自走式クラッシャー、 ガラパゴス、 木材破砕機、 中古
こんにちは。
4月、春ですね!
かつて学生時代を送った九州の某100万都市では、暖かくなると幹線道路のど真ん中を大声を出しながら自転車で逆走するおじさんが必ず現れたのを鮮明に覚えています。
何か起きそうな出会いの季節。
今私たち中京重機は、お客様と建機・重機のと出会いをお手伝いしています!
さて、突然ですが建設機械・重機を選ぶとき、どんなことを基準に考えていますか?
「今(以前)利用しているのと同じモノがいいな・・」
「お気に入りのメーカーのモノを選びたいな・・」
「コストが優先だよ!」
「業者にすすめられたモノを素直に・・」
「周囲・知人から情報を収集してよく検討。」
「作業効率が良いモノを・・」
などなど、色々な視点で選んでいると思います。
今回は、林業や解体業、太陽光発電の開発現場などでもで大活躍している『自走式木材破砕機』のメーカーによる特徴の違いについてお伝えします。
木材破砕機の導入や買い替えを検討している方は、ぜひ木材破砕機選びの参考にしてください。
まず、木材破砕機を選ぶ大きな分岐点は、
「国内メーカーを選ぶか?」それとも「海外メーカーを選ぶか?」
という点です。
これはすなわち国土の違いからくる必要サイズに直結しています。
日立 ZR260HC 古河 FPC1700 PPC HC1410 VERMEER TG400A
DOPP AK635K JENZ MEGA561DL WB MZR2200R FORUS HB390
まず「国内メーカー」では、有名なところでコマツ、諸岡、日立、古河などがあります。
次に「海外メーカー」は、アメリカのピーターソンパシフィック、バーミヤ、モバーク、
ドイツのドップシュタット、ジェンツ、ウィリーバルド、フォーラスなどがポピュラーでしょう。
ずばり、この両者において日本でニーズが高いのは国内メーカーの木材破砕機です。
ひとつ目の理由は、日本製の主流が小・中型なのに対して海外製は大型が多いということ。
破砕処理量の決め手となるエンジンパワーを見ても、国内メーカーが100~300psのモデルがほとんどなのに対して、海外メーカーは400~700ps以上のモデルがゴロゴロいます。
利用する場所の狭さや移動距離、またチップ化の必要量などを考慮すると、小・中型サイズの自走式木材破砕機のニーズがどうしても高くなります。
逆に、小・中型の木材破砕機では間に合わないような大量の処理が必要な場合は海外メーカーを選択するのが良いでしょう。
ふたつ目の理由は、海外メーカーの木材破砕機は日本での新車販売価格が高めに設定されていること。
先に上げたように、日本でのニーズが低いため他の海外地域よりも高めに価格設定されています。
みっつ目の理由にして、最大の理由はメンテナンスにコストと時間がかかること。
故障などで部品交換が必要になった場合、部品によっては調達にどうしても時間かかってしまうものがあります。(2週間程ですが・・)
また、国内メーカーの場合、使用されている鋼板の厚みや大きさが相対的に薄く(小さく)金属加工ができる業者さんは部品を自作してコストを抑えることができます。(例えばスクリーンを鉄板から自作して純正部品とのコストを抑えるといった裏技も・・)
一方、海外メーカーのスクリーンの場合、板厚も15mm以上あるようなものも多くこのような裏技は難しいようです。
日立ZR260HCのスクリーン厚み PPC HC1410のスクリーン厚み
これらの理由から、初めて木材破砕機を導入する際は、どうしても大型の木材破砕機が必要な場合以外は、国内メーカーの木材破砕機の方が安心ではないでしょうか?
また、海外製の機械でも日立建機やキャタピラーグループが取扱いしているものもありますし、輸入代理店がしっかりアフターサポートしている商品もあるのでよく情報を集めることをお勧めします。
さて、それでは国内メーカーの木材破砕機を比較してみましょう。
コンパクトなボディでセルフトラックにも乗ってとても便利。樹木伐採現場から解体廃材までオールラウンドでパワフルに活躍する代表的2機種を題材に挙げてみます。
この2台は破砕処理方法や設計寸法が同等なので、よく比較検討されるモデルだと思います。
コマツ製品の最大のメリットは安全制御がしっかりと組み込まれていることです。
世界のトップメーカーとして、危険を未然に防ぐ事を重視した構造になっています。
木材破砕には危険が伴うため、作業員の安全を確保するための手順やロックがしっかりと計算されています。
また、破砕処理は破砕機本体にも大きな負荷がかかるため、過負荷を検知するセンサーなども重視され、BR120Tには標準で搭載されています。
そのため、安全性や手順ミスを防止したい方にはコマツがおすすめです。
デメリットは、厳重な安全制御があるからこそ、きちんとした手順、操作を行わなければ作動しないことです。
一方、諸岡は安全制御を必要最小限に設計をしています。
そのため、利用者自身が安全に運用するためのルールを決めて作業をする必要があります。
諸岡製品はシンプルな構造をしています。
電気制御も最小限なので故障するリスクが低い機種だといえます。玄人好みですね。
ただし、昔はエンジンや作動油の冷却系にトラブルが発生しがちだったために、今は大型オイルクーラーを標準装備にするなどの対策がとられています。
中古製品を選ぶときは「外付けオイルクーラー」がついているか確認しましょう。
付いてない場合は標準のオイルクーラーでも取り付け位置を調整して冷却効率をUPさせましょう。
一方、コマツは安全を確保するための電気制御が多いため、どうしても故障リスクが高くなります。
センサー類は意外と高額なものもあります。故障時にセンサーをバイパスしてしまうケースもあるようなので中古製品を選ぶときは過負荷オートリバース機能なども実際に破砕して確かめるようにしましょう。
木材を破砕するビットは消耗品なので、そのコストや耐久性は気になるところです。
コマツBR120Tの破砕ビットはロケット状のコニカルビットとなっています。固い材質の木材によく食い込みそうな形状をしています。おそらくこの角ばったところが超硬合金で溶射か何かされているのでしょう。
一方、諸岡MC-2000の破砕ビットはひし形の反転可能タイプ。タングステンカーバイトで全体がおおわれています。これが取れると破砕能力が下がりますが、反転すれば長持ち2倍!
BR120T 固そうな炭化物がいっぱい付いてます。 反転がきいて長持ち,しかもプロテクター付き。
ただしここはハンマービットだけでは優劣のつけにくいところです。購入を検討するにあたっては、破砕ローターの耐摩耗性やバランス、はたまた駆動方式や潤滑方法の違いによって長期的にもメンテナンスの 要不要を考慮に入れたいところです。
※タングステンカーバイドの説明:ウィキペディア
|
コマツ BR120T |
諸岡 MC-2000 |
運転質量 |
10700kg |
9230kg |
定格出力 |
192ps |
200ps |
全長/[搬送時]mm |
8520/8330 |
6900(8050 ロングコンベア) |
全高/[搬送時]mm |
2950/2710 |
2730 |
全幅/[搬送時]mm |
2790/2440 |
2310 |
破砕室開口部 |
830×525mm |
800×770mm |
タブ内径 |
1900mm(飛散防止カバー付) |
1800mm |
ビット数 |
12個(コニカルビット) |
32個(反転式ビット) |
駆動方式 |
油圧モーター |
油圧モーター |
燃料タンク |
340L |
290L |
操作性 |
安全制御装置が充実 |
マニュアル操作が多い |
故障・トラブル |
電気系統のセンサーエラー等 |
気温が高い地域はヒート対策 |
破砕室 |
ローターがオープン構造なので処理量が出やすい。ベアリングはオイル潤滑。 |
密閉式ローターの摩耗とカップリングのがたつきに注意。ベアリングはグリス潤滑。 |
ポイント |
操作手順をよくおさらい センサー類の正常稼働の確認 |
オイルクーラー・ロングベルコンなどのオプション類の有無をチェック |
さて、機能的な比較を見てきましたが、最後は価格面の違いです。
新車でご購入の場合、さすがに装備充実のコマツ!やはり高級品です。PC350ぐらい買えるのではないでしょうか?
一方、諸岡MC-2000はシンプルさが効いています。コマツの2/3ぐらいの予算で買えるのかな?
オプション装備の有無で大きく違いますのでなかなか比較は難しいとは思いますが、この2台、実は、中古で売却しようとしたときの価格(売却価格)は、コマツBR120Tも諸岡MC-2000もほぼ同じ価格です。
つまり、売却のことも考えると諸岡MC-2000の再販価値は高いといえます。
また、中古車として購入しようと考えると、コマツBR120Tも諸岡MC-2000もほぼ同等の相場で購入が可能ですが、破砕機の損傷状態やオプションの有無によっては事情がずいぶん変わります。
異物嚙みこみ等で破損したビット 沿岸地域等だと腐食が進みやすい
このMC-2000の場合、BR120Tに負けず劣らず大変人気のある機種ですが、購入検討の際には是非チェックしてほしい点があります。
それは、オプションの有無。
どのようなオプションが付いているかによって、使いやすさや作業効率などが大幅に違ってくるからです。
特に諸岡の木材破砕機は、オプションで弱点をしっかりカバーすることができます。
1.外付けオイルクーラー:オーバーヒートによる作業停止を軽減します。
2.自動正逆反転装置:破砕ドラムに負荷がかかった際にホッパーを逆転させて詰まりを軽減します。
3.ロングベルコン:破砕した木材を直接ダンプに積み込めます。破砕した木材を搬出する現場では、ロングベルコンの有無で作業効率が大幅に変わります。
4.マグネットセパレーター:釘などの金属を除去する装置です。解体廃材を破砕する現場では必須のオプションです。
1.大型オイルクーラー 2.緑色のスイッチで確認 3.2300mm→3500mmへ 4.磁選機
自走式木材破砕機のメーカーごとの違いを比較してきましたが、いかがでしたでしょうか?
それぞれの特徴を理解して、ぜひ、あなたの現場にマッチする木材破砕機と出会ってくださいね!
機械選びの際に迷ったらぜひご相談ください、私共のできる限りお力になりたいと考えております。
自走式木材破砕機をお探しの方はこちら。
・小型・中型の自走式木材破砕機なら国内メーカー。
・大型の自走式木材破砕機なら海外メーカー。
・国内の現行木材破砕機2大メーカーは「コマツ」と「諸岡」。
・タイプの違う2メーカーの特徴、メリット・デメリットを見極めて、自社の現場に最適な一台を。
・中古の木材破砕機の価格は2メーカーともほぼ同じ。
・諸岡は、どのようなオプションが付いているかで作業効率に大幅な違いが出るため、オプションの有無は要チェック。
A.S.
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