中京重機のオフィシャルブログです。
2025 01.24
カテゴリ: 建機、 中古建機、 建設機械、 中古重機、 リサイクル機械、 オリジナルパーツ、 環境リサイクル機械
こんにちは!
さあ2025年がはじまりました!ぼやぼやしていると「あっ」という間に1年なんて終わってしまいますよ・・年の瀬になって後悔しないように「やろう!」と思っていることは今から計画的に実行していきたいものです。
さて、今回は弊社が納車させていただいた機械について(WARRIOR1400X)現場からの声をフィードバックしてオリジナルアイテムを開発&供給した事例のご紹介です。ウチのすべてのリソース(少ないながらも)を投入して生産性向上のお手伝いをする現場をレポートします。
さて、弊社がある名古屋市の周辺でも採石場があります。とくに中央構造線が通っている和歌山~三重~愛知エリアの幾つかの地層からは建材に適した堆積岩が採れるようですね。ウチのお客さまの場合は三重県の北勢地方で砕石場を経営されていらっしゃるのですが、砂岩を切り出して粒度調整し建材製品を生産されています。
石切り場ってホントに広大ですよね!スケールが違います。やはりそんな現場にはフラッグシップモデルが相応です。満を持して投入されたマシンは「POWERSCREEN WARRIOR1400X」最新・最強の切り札です。善は急げ!日本総代理店のリョーキさんに相談して即納機を導入したのはおととし(2023年)春の事でした。
砂岩とはサンドストーン、日常の様々な建材等に製品化されています。この現場では採石場で切り出された岩(ガン)をクラッシャーで選別機投入可能サイズまでに破砕したあとにこのWARRIOR1400Xで製品を生産しています。しかし良い機械を投入さえすればすべて問題が解決というほど甘くはありません。現場は千差万別、望む製品を最適条件で生産するには細かなセッティングや操作方法の工夫が日々必要です。
[狙う生産材の種類]
1.アンダー材:36mmアンダー(と、いいつつほぼ真砂土) すな・・
2.ミドル材:40~150mm(砂利) メインの商品
3.オーバー材:150mmオーバー(規格外) 再度フローへ
ポイントはやはりミドル材粒度の精度を如何に上げるかということ。現状ではどうしても細長い150mmオーバーが混在してしまいます。これでは製品クレームになってしまうとのこと。
※オーバー材の多寡については前工程(破砕)の課題になりますのでここでは触れません。
なぜでしょう???
問題の一因はボッファデッキの工場出荷状態にありました。
通常、自走式スクリーンの需要といえば、2選別機(BM545/595とかVR408/512)によるRC40(コンクリートガラ40mmアンダー)生産が一般的なイメージです。その際は上段がグリズリータイプのグリッド+下段が織網40mmという鉄板の設定ですが、この大型の3選別スクリーンの場合は用途がさまざまなだけにセッティングも百様です。メーカーも「多種多様なオプションが選べますよ!」としてはいるもののやはりデフォルトの仕様というのがあってそれを基本として出荷しているのが実情です。
問題は上段のボッファデッキがグリズリ状になって目開きした形状になっていること。ここから材料が縦方向に「タテ抜け」してミドル材に混ざってしまうのです。
さあ、ここからが生産性向上のお手伝い、いよいよわれわれの出番です!お客様の要請を受けてまずは材料がタテ抜けしないようにグリッドに横方向のバー材を加工して“準格子状”にしてみました(でも、見てくださいグリッドのリブに穴をあけて横通しに串刺しまでしてる。スケルトンバケットをイメージしたんでしょうがウチの工場長どんだけ職人なんですか!?)。随分効率が上がったとの評価も受けてひとまず解決かなと思ったのですが・・
しかし次々に課題が発生します。
ボッファデッキの天ツラ面と補強したバー材との高さに微妙な差があることによって、材料がよく目詰まりすることになるのです。それから3段ある上段デッキのトップデッキが集中的に摩耗するということ。やはり炭素鋼のバー材補強では自然石はちょっと厳しいようですかねー。自然石の中でも比較的軟質だとされる砂岩ですが、そこはやはり自然石!驚異の土砂摩耗で材料が当たる箇所ばかり摩滅していきます。よく見ると補強部だけでなくボッファデッキのグリッド自体も同様に摩耗しています(純正ではちょっと部が薄いかな⁈)。
通常の選択肢だと次はボッファデッキの交換しかないのかな⁈と思いますが、このテンポの消耗度では今後なかなかのランニングコストとなりそうです。仕様が現場の要望とかみ合っていない純正部品に相応の価格を負担するのは納得がいきずらいのも理解ができることです。
ここでついにデッキ形状と材質の変更を提案です。デッキの材質を耐摩耗鋼「HARDOX」に性能向上し(しかも厚みを19mmに強化)天板をツライチ化。さらにグリズリ形状のグリッドからスクエアタイプスクリーン的な形状(サイズは90mm角)に仕様変更してみました。天板の厚みが増した分重量増加による弊害の心配はあるものの(取り付け台座のサイズを小振りにするなどして微調整)ここは耐摩耗性を最重要視してテストです。
さあ、どうでしょう?!生産効率はあがったかな??(部品代は純正の3分の2程度に抑えてみましたが・・)
まだまだ改善の余地はありそうですが、今後もエンドレスで現場の稼働は続いていきます。今回も改良の通過点と考えて引き続きお客様からの感想や意見をつぶさにフィードバックして貢献できればと考えています。
このように、弊社では環境リサイクル機械の現場導入と生産性向上のお手伝いをさせていただいております。全国の現場でお仕事と格闘中のお客さまにおいて業務改善の相談に乗れればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
三重県北勢地方は砂岩製品の石切山が点在する。
砕石山で使用される機械は自然石の摩耗との戦い。
生産性の向上には常に現場からのフィードバックが不可欠。
A.S.
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