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2017 12.10

知っておきたい!「自走式ジョークラッシャー」の構造と選び方。

投稿者: A.S.

カテゴリ: 中古建設機械自走式クラッシャーオリジナル重機・建機ガラパゴス

こんにちは。

 電柱の撤去作業がどのように行われているかご存知ですか?

地面を掘って、油圧式ポールクラッシャーや鉄製ハンマーでコンクリートを破砕した後に、鉄筋を切らなければいけないため、熟練の技が必要となり、騒音の問題もあったそうです。

また、長く重たい電柱を支えるため建柱車やクレーン車も利用されていました。

 そんな大変な作業を素早く、簡単に、騒音を抑えてできるコンクリート柱切断装置が開発されたそうです。

さらに、電柱ハンドリング車も開発されました。

この電柱ハンドリング車は、電柱工事以外でも活用できそうですね。

日本経済新聞「JR西日本が電柱撤去技術、低騒音で夜間工事可能」

 さて今回は、自走式ジョークラッシャーの基本的な構造や選び方のポイントについてお伝えします。

 

 

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【1】意外とシンプルな自走式ジョークラッシャーの基本構造。

石質破砕機の中でも中心的な存在である「自走式ジョークラッシャー」。

ちょっとカッコイイ名前ですよね。

この名前の「ジョー」は「アゴ」を意味しています。

つまり、『アゴで(石質を)砕く重機』という名称なのです。

 石質を破砕する「アゴ」にあたるのが「動歯」と「固定歯」です。

動歯は偏心プーリーに直結しており、偏心プーリーがグルグルと回転する動きに合わせて波を打つように動きます。

この動きによって、投入された破砕材を固定歯に押し付けて、すり潰していきます。

そのため動歯は波を打つアゴという意味の「スイングジョー」とも呼ばれています。

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 自走式ジョークラッシャーは、非常に大きな力で石質を破砕する重機なので、重機自体にも大きな負荷がかかります。

そこで、過負荷がかかったときにジョークラッシャー自身の損傷を防ぐため、「トグルプレート」が曲がり、緊急停止する安全装置が備わっています。

この構造から「シングルトグルクラッシャー」と呼ばれることもあります。

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 ちなみに、新しい機種の自走式ジョークラッシャーには、「ロックシリンダー」方式を採用したものがあります。

 「ロックシリンダー」方式は、油圧シリンダーに一定以上の力がかかると、シリンダーがへこんで破砕機の機構を守る構造になっています。

そのため、ロックシリンダー方式にはトグルプレートはありません。(あっても2次的な効果。)

 また、ロックシリンダーには、隙間調整の機能もあります。

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従来のジョークラッシャーでは、動歯の後ろにある調整シムの厚さを取り換えて隙間を調整することで製品の大きさを決めます。

一方のロックシリンダー方式では、油圧シリンダーによってコンピューター制御で簡単に隙間調整ができるようになっています。

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【2】破砕材の投入方法で違う「直投入方式」と「グリズリー方式」。

自走式ジョークラッシャーには、破砕材の投入方法の違いによって、「直投入方式」と「グリズリー方式」という2つのタイプがあります。

 

〇直投入方式

旧式の自走式ジョークラッシャーに多いタイプです。

油圧ショベルなどを利用して破砕室の供給口に破砕材を直接投入します。

一度に大量の破砕材を投入すると重機に負担がかかる上に、排出される製品粒度のクオリティも落ちてしまいます。

そのため、オペレーターには技術が求められ、作業には非常に神経を使います。

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〇グリズリー方式

近年の自走式ジョークラッシャーに採用されているタイプです。

破砕材は一旦投入ホッパーに投入します。すると、投入ホッパーからグリズリーの振動によって少しずつ破砕材が送り出されて破砕室の供給口に投入されます。

一定の量が破砕室に送り込まれるため、破砕効率が良く、オペレーターの負担も少なくなります。

また、グリズリーは熊の爪のような形状をしているため、破砕する必要のない小さなものは隙間からすり抜けて落ちていきます。

これにより、無駄な破砕を減らすこともできます。

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 油圧ショベルのキャビンからは、破砕の状態を確認することができないため、「直投入方式」は、投入作業をするオペレーターに熟練の技が必要となります。

「直投入方式」「グリズリー方式」を選択するときは、この点に十分に留意するようにしてください。

【3】破砕したい石質にあった性能の自走式ジョークラッシャーを選ぼう。

自走式ジョークラッシャーは、比較的単純な構造をしており、メーカーによって構造の違いはほとんどありません。

 では、何を基準に選べば良いのでしょうか?

自走式ジョークラッシャー選びのポイントは、次の3つです。

 

Point1:部品調達状況

自走式ジョークラッシャーは部品交換の頻度の高い重機です。

そのため、「日本製自走式ジョークラッシャー」今昔ものがたり。でも説明しましたが、部品調達の安定性は自走式ジョークラッシャー選びの大きなポイントのひとつです。

 

Point2:供給口のサイズ

供給口のサイズから、破砕室の容積が分かります。

容積が大きい方が破砕材を多く投入できるので作業効率が上がります。

この供給口のサイズはメーカーによって表示方法が違うことがあります。

コマツ建機のBR380JG-3は、1065×550mmと表記されています。

インチで表記されているメーカーもあり、その場合は 3 4 1 2 というように表記されます。

これは、長方形の長辺が34インチ、短辺が12インチという意味です。

ジョークラッシャーの供給口は長辺の方が注目されがちです。

これは、動歯や固定歯のサイズでもあるためです。

しかし、効率よく破砕を行うためには、短辺がどのくらいあるのかも重要です。

短辺は、動歯の開口幅となるため、短辺が狭いと動歯の圧縮方向の動きも小さくなり、小さな破砕材しか投入できないことになります。

もちろん、各メーカーとも、効率の良い破砕のために、供給口のサイズを研究していますが、自走式ジョークラッシャーを選ぶ際には、ぜひ供給口の横幅と縦幅をチェックするようにしてください。

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Point3:圧縮強度

圧縮強度とは、石質を破砕するときにどれくらいの力を加えられるかを示すものです。

比較的やわらかいコンクリートガラであれば、1平方センチ当たり1900kgの力が必要です。(1900kgf/cm2

自然石の中でも御影石のような硬い石を割るには、1平方センチ当たり2500kgが必要となります。(2500kgf/cm2

例えば、圧縮強度が1900kgf/cm2のジョークラッシャーで御影石を破砕しようとすると、破砕効率が非常に悪く、下手をすればジョークラッシャーが破損してしまいます。

 この圧縮強度は性能表に記載されていますので、しっかりと確認することが大切です。

 ちなみに、コマツ建機のBR380JG-3の場合は、圧縮強度の標記はないのですが、

・最大供給塊寸法

コンクリートガラ 1000×900×475mm

自然石 425×425×425mm

・最適供給塊寸法

コンクリートガラ 475×325×325mm

自然石 325×325×325mm

というように表記されています。

 最大供給塊寸法とは、供給する破砕材の向きに注意して投入できる最大の寸法、最適供給塊寸法とは、破砕材の向きに注意する必要のない最大寸法を指しています。

つまり、自然石を投入するときには、投入前にある程度小さく下処理破砕しておく必要があることが分かります。

 ちなみに、コマツ建機の中古自走式ジョークラッシャーで人気のある

BR210JGの規格・性能は、
供給口 770×430mm

最大供給塊寸法 800×600×350mm

最適供給塊寸法 350×250×250mm

となっています。

破砕機自体は小型のタイプなので、コンクリートガラなどやわらかい石質の破砕に向いているといえます。

 このように、自走式ジョークラッシャーを選ぶときには、どのような石質を破砕するのかによって、性能をしっかりと確認することが大切です。

 

自走式ジョークラッシャーをお探しの場合は、中京重機にお気軽にお問い合わせください。

 

 

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まとめ

自走式ジョークラッシャーは、波打つような動きをする動歯と固定歯で石質をすりつぶす構造をしている。

破砕材を供給口に投入する方法の違いによって、「直投入方式」と「グリズリー方式」の自走式ジョークラッシャーがある。

破砕したい石質にあった自走式ジョークラッシャー選ぶため、性能をしっかりチェックする。

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