中京重機のオフィシャルブログです。
2017 06.26
カテゴリ: 重機、 建機、 環境機械、 建設機械、 木材破砕機、 中古
こんにちは、加藤です。
さて、去る6月4日~10日の1週間は、厚生労働省・文部科学省・日本歯科協会などが「歯と口の健康週間」を実施していました。
かくいう私 加藤のチャームポイントは「歯」、自称デンタルケアオタクです。
歯磨きには通常歯ブラシのほかに、ワンタフト(円錐型)ハブラシ・歯間ブラシ・フロスの4種の神器を使います。
就寝前にはこれにデンタルリンスをプラス。
おかげさまで、2カ月に一回の歯科検診&メンテでは、過去に磨き残しなし(100点満点)を何回か獲得!
そのノウハウや推奨ギアを公開すると、新たにブログが1本書けてしまいます。
完全自己満の世界です。
というわけで今回は、歯つながりで木材破砕機の「歯(刃)」について、いろんな切り口でお話ししたいと思います。
以前の社員ブログで、自走式木材破砕機の材料投入方式はタブ式と横入れ式があるとお話ししました。
先ず、タブ式の破砕室の構造はドラム形状の軸に固定の歯【ビット,ハンマー等呼称は様々】が並んでいるもので、歯の形状は様々ですが、構造は1種類です。
*諸岡MC2000破砕室 *コマツBR120T破砕室
今回はこのタイプの説明は置いといて・・破砕室構造が多岐にわたる横入れ式の木材破砕機についてご案内します。
本題に入る前に・・・
木材破砕機の分類方法は本当に多種多様ですが、今お話ししているような投入方式とは別に、破砕後の木材チップの大きさで破砕方式を分類すると、
「粗破砕」と「細破砕」⇔「低速タイプ」と「高速タイプ」⇔「2軸式」と「1軸式」
があります。
「粗破砕」は体積を減少させる減容処理で使用しますが、生産効率を上げるために細(二次)破砕の前処理工程(一次破砕)で使用することもあり、低速回転で破砕をし、破砕ドラムは1軸と2軸、複数軸があります。
又、投入は上部投入(タブ式ではありません)で、破砕後の排出口にスクリーン(網)が無いため、破砕歯の通過は1回のみ破砕対象物が削ぎ落されて上から下へ落ちるイメージです。
*コマツBR300S 2軸破砕室
次に、このあとご説明する横入れ式の木材破砕機は、「細破砕」「高速回転」「1軸」仕様となります。
破砕後の排出口にスクリーンがあり、網目を通過するサイズになるまで何度も破砕されます。
従って、破砕後の木材チップサイズは装着する網目のサイズで決まります。
破砕する先端のビットを「歯」という場合と、「刃」という場合がありますが使い分はあるのでしょうか。
基本的には、
・歯は「叩き壊す」タイプの場合使う。ハンマーとも言う。
・刃は「削り取る=切削」タイプの場合使う。カッター、ナイフ、チッパーとも言う。
破砕機構で分類する方法はもっともポピュラーです。
木材破砕機の破砕部機構としては(今回粉砕は除きます)、
①打撃破壊式=ハンマー式
②切削式=ナイフ式
③1軸&2軸(複数軸含む)剪断式
があります。
先ず③に関しては前項の粗破砕でご案内した通りです。
①の打撃破壊式は、ドラム形状の軸にビットが並んでいて、ドラムを高速回転することで木材を叩き壊して
小さくするタイプです。
取り付けるビットはハンマーと呼ばれる歯です。
破砕後のチップは木質の繊維に沿って砕くため、形状は細長いピン状になるので「ピンチップ」と言います。
*古河 FPC1600 破砕歯 破砕後チップ(ピン)写真
②の切削式は、高速回転する刃によって木材を削込んで小さくするタイプです。
取り付けるビットはナイフ、或いはカッター、チッパーと呼ばれる刃です。
破砕後のチップの形状は四角形のフレーク状で、「切削チップ」と言います。
*緑産 MEGA561 切削刃 破砕後チップ(切削)写真
尚、①と②の併用タイプもあり、ハンマーとナイフ式が両方装着されているのでハンマーナイフ式と言います。
*大橋 GS930DC ハンマーナイフ
木材破砕機のことをよく「チッパー」と聞くことも多いですね。
実際は同義です。
ただ、現場では多少使い方に違いがあるようです。
では、俗に「木材チッパー」と「木材破砕機」はどう違うのでしょうか?
メーカーによって違いはあるかもしれませんが、材料を
・人が手で投入するタイプは「木材チッパー」
・油圧ショベルなど、機械で投入するタイプは「木材破砕機」
と理解して大きく外れることはありません。
というのも、この境界で使用する歯と刃、破砕室構造も変わるからです。
手投入 機械投入
破砕室構造は大きく「ドラムタイプ」と「ディスクタイプ」に分けられます。
ドラムタイプは既にお話しの通り、ドラム形状の軸にビットが並んでいて、回転するドラムに材を垂直に押し付けることで破砕や切削をする構造です。
破砕ビットはハンマータイプとナイフタイプがあります。
VERMEER BC1800破砕室(ナイフタイプ) 日立 HC1410 破砕室(ハンマータイプ)
ディスクタイプは円盤形状のディスクにナイフが付いていて、回転するディスクに材を垂直に押し付けることで切削する構造です。
VERMEER BC1230A破砕室
ドラムタイプの中でも、ハンマータイプにはビットがホルダーに固定されている方式と、ドラムの固定軸にビットがぶら下がって遠心力を使って揺動(スイング)するタイプがあります。
後者は特に海外製に散見され、正に「打撃力で叩き割る」を地で行くイメージです。
*DOPPSTADT AK300 破砕室(スイングハンマータイプ)
では、最後に「ハンマー式」と「ナイフ式」のご購入時の選択についてアドバイスします。
①「ハンマー式」
◆メリット
・異物に強く高耐久ですので、建築解体材の破砕にはピッタリ。
・ナイフ式に比べランニングコストは抑えられ、メンテナンスも少なくて済みます。
・含水率の低い乾いた材料に向いています。
◇デメリット
・叩き壊すタイプですので、振動や騒音が大きくなります。
・高含水率の材料は柔らかく、力が伝えにくくなり折れにくいため、きれいに粉砕できなかったり、詰まりやすくなります。
・繊維が強い材料や葉が多い材料は破砕ドラムとスクリーンの間で空回りして、詰まりやすくなります。
②「ナイフ式」
◆メリット
・軟材の破砕が得意で、細かい木材チップが生産出来ます。
・材料を問わず詰まりにくいです。
・振動や騒音が少ないです。
・製紙用・バイオマス燃料、ファイバーボード向けに好まれ、販売単価もピンチップに比べ高い。
◇デメリット
・異物に弱くデリケートです。
・ナイフ反転、研磨等のメンテナンスが必要で、高ランニングコストです。
・硬質材の切削は摩耗が早くなります。
さあ、ここまで木材破砕機の多種多様な破砕方式についてご説明してきましたが、いかがでしょう? たくさんあるでしょう!
これらの破砕方式がどういった破砕物(投入材]に効果的でどのような製品に破砕されるのかは、いつの日か次回のお楽しみということで・・
もしもそれまでにすでにご利用のお客様で「こんな破砕材は苦労した!!」「こんな工夫をすることで劇的に効率が上がった!!」「こんな変わった材料を破砕してます!!」などの貴重な情報があったら是非教えてください。
でも、どういったタイプの木材破砕機を選ぶにしろ、やはり日頃のメンテナンスはしっかりする必要がありますね。
特に破砕室内、その中でも〖歯〗や⦅刃⦆のメンテナンスは特に重要です。
これらは皆さんの歯のケアと同じですね。
われわれ中京重機は、そんな破砕機のよき歯医者さんとしてケアに携われればと考えております。
自走式木材破砕機の破砕方式は多種多様。
粗破砕と細破砕/ハンマー式とナイフ式/木材チッパーと木材破砕機/ドラム型とディスク型/スイングタイプと固定タイプ/ドラム型とディスク型。
それぞれのメリットとデメリットを見極めて使いましょう。
いずれにしても〖歯〗や⦅刃⦆の日頃のメンテナンスはしっかりする必要があります。
まる盛りくん5
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