中京重機のオフィシャルブログです。
2018 02.05
カテゴリ: 建機、 建設機械、 中古重機、 舗装機械、 道路機械
こんにちは。
「未来の土木コンテスト」をご存じですか?
小学生が考えた「土木がかなえる未来の社会」についての夢のアイデアに対するコンテストです。
ただ小学生に考えてもらうだけでなく、一次選考を通過したアイデアに対しては、土木技術者チームが加わって実現に向けた技術検討まで行うそうです。
その、「未来の土木コンテスト」の最終選考会・表彰式が行われました。
【未来の土木コンテスト】自由なアイデアを具現化するエンジニア! 「想像力×土木の力」で未来を
土木学会 土木広報センター 市民交流グループ 未来の土木コンテストグループ
最優秀賞は、子ども達が遊ぶ力で発電できる公園というアイデアでした。
人々が集う素敵な公園になりそうだというだけでなく、災害時の避難場所になっている公園で発電できるのはとても有益な発想だと思います。
こうした夢のあるアイデアがどんどん実現していくといいですね。
さて、今回お伝えする内容はアスファルトフィニッシャーについてです。
アスファルトフィニッシャーはその名の通り、道路工事の最終工程にあたるアスファルトの敷き均しをするための重機です。
まずは、アスファルトフィニッシャーの基本的な構造を見ていきましょう。
▼アスファルト合材を投入するホッパー
アスファルトフィニッシャーの前方には大きなホッパーがあります。
アスファルト合材を投入するためのホッパーで、チューリップ状に開閉する構造になっています。
完全なボックスにはなっておらず、前面部分が開いているのが特徴的です。
これは、前方に配置したダンプカーの荷台から落とすアスファルト合材を受けやすくするための形状です。
▼ダンプカーを押すためのローラー
アスファルトを敷く作業中は、ダンプカーとアスファルトフィニッシャーは一列に並んで動きます。
このとき、アスファルトフィニッシャーがダンプカーを押しています。
そのため、アスファルトフィニッシャー前方には、ダンプカーのタイヤを押すためのローラーが取り付けられています。
▼アスファルト合材を送り出すコンベヤ
ホッパーの底には梯子状のコンベヤが付います。
このコンベヤによって、アスファルト合材を後方へ送り出しています。
▼アスファルト合材を広げるスクリュー
運転席の下を通って後方まで移動したアスファルト合材は、スクリューによって左右に広げられます。
▼アスファルトを敷き均すスクリード
スクリューによって広げられたアスファルト合材の厚みを均等に調整して敷き均すのがスクリードです。
スクリードは、スクリードプレートという複数の板状の部品で構成されており、敷きたい幅に合わせて無段階で調整できるようになっています。
スクリードプレートはガスバーナーで加熱でき、バイブ機能も付いています。この機能を利用し、地面に敷いたアスファルトを、バイブする熱いプレートでアイロンをかけるように抑えて均すことで最初の締め固めを行います。
ちなみに、タンパーというオプション機能もあります。
タンパーは、細かく叩くことでアスファルトの密度を高くするためのものです。
主に凍結によって道路が損傷する恐れのある寒冷地で利用されています。
アスファルトフィニッシャーは、足回りの違いによって『ホイールタイプ』と『クローラータイプ』に分類できます。
この中でも、最近人気のタイプは『ホイールタイプ』のアスファルトフィニッシャーです。
ホイールタイプは機動性が高く小回りが利くことや、ナンバーを取得できるため公道を自走で移動できることなどの理由で重宝されています。
ただし、山間部など勾配の強い坂道の舗装を行う場合には、『クローラータイプ』が利用されます。
アスファルトフィニッシャーにはダンプカーを押す力が必要です。
坂道ではより強い力が必要となるため、クローラータイプが重宝されます。
次に、アスファルトフィニッシャーの人気の機種についてお話します。
ずばり!ダントツの人気は『 住友建機のHA45W 』です。
HA45Wは、ホイールタイプのアスファルトフィニッシャーで、敷き幅は2m~4.5mまで設定できます。この敷き幅は日本の一般的な道路幅と合致しているため、重宝されています。
サイズ以外にも支持されている大きな理由があります。
それが、住友建機が独自開発した『 J-PAVER:3連スクリードプレート 』です。
なぜ3枚構成のスクリードプレートが良いのでしょうか。
それは、従来のスクリードプレートよりも圧倒的に「はやく」「きれい」に仕上がるためです。
道路工事で重要な要素のひとつが、道路表面のなめらかさです。
最終的にローラーで締め固めて表面を整えますが、きれいにアスファルトを敷いた方が、より美しく、よりスピーディーに作業を行うことができます。
従来のスクリードプレートは4枚で構成されており、プレートの境目に3本の敷き跡ができていました。
一方、スクリードプレートが3枚構成の場合は、境目の敷き跡が2本になります。
敷き跡を減らすことで、ローラーの工程のスピードや精度をあげることができます。
スクリードプレートの数が1枚少ないだけではあるのですが、このような理由により大変な人気機種となっています。
アスファルトフィニッシャーは、常に半固形状のアスファルト合材を処理しているため、摩耗しやすい場所が多くあります。
摩耗しやすい場所はこまめにチェックをして、必要に応じて修繕をするようにしましょう。
また、中古のアスファルトフィニッシャーを購入する際にも、摩耗しやすい場所をしっかりとチェックするようにしてください。
〇タイヤ(ホイールタイプ)
ダンプカーを押しながら作業を行うため、タイヤには大きな負荷がかかります。
アスファルトフィニッシャーのタイヤは価格が高いので、中古重機選びの際には必ずチェックしてください。
〇コンベヤ部分
コンベヤを構成しているバーフィーダーチェーンやチェーンブロックなどは、アスファルト合材を送り出す部分なので、ゆるみや摩耗がないかこまめにチェックするようにしましょう。
チェーンのゆるみや摩耗は、車体下をのぞき込まなければできません。
車高が低いので大変ですが、中古重機選びの際にもしっかりとチェックするようにしてください。
〇スクリュー
回転しながら、常にアスファルト合材を送り出している機関なので、非常に消耗が激しい部分です。
中古重機選びの際には、延長スクリューの摩耗具合も忘れずにチェックしてください。
〇スクリードプレート
スクリードプレートも消耗が激しい部分です。
特に、スクリードプレートの両端の前部分は、開いたときに重力によって下がりやすいため、消耗が激しくなる傾向がありますので、動作上問題ないか確認しましょう。
また、アイロン面に傷がないかをチェックすることも大切です。
スクリードプレートに傷やすり減りがあると、アスファルト表面に筋が入ってしまいます。
中古重機選びの際には、摩耗によってスクリードプレートの厚みに差がないか、まんべんなく計測すると良いでしょう。
さらに、重力によってスクリードプレートにたわみが出ている可能性があるので、全展開してたわみがないかを確認することも大切です。
その他、加熱による腐食・酸化が進んでいないか、スクリードプレートの展開に利用するシリンダーに傷や油漏れがないかも確認しましょう。
また、日々のメンテナンスでぜひ行ってほしいことがあります。
それは、「作業中に付着したアスファルトの剥離」です。
アスファルトが付着したまま使用を続けていると、アスファルト合材をうまく送ることができなくなったり、重大な故障の原因になってしまったりする可能性があります。
アスファルトは冷えると固まってしまって剥離が難しくなりますので、温かいうちに清掃することが最も効果的です。
剥離しにくい場合には、散油ノズルを利用することが多いと思いますが、スチーム洗浄機を利用するのも効果的です。
熱い蒸気で吹き飛ばすので、付着したアスファルトを剥離しやすくなります、ぜひお試しください。
アスファルトフィニッシャーなど、道路機械をお探しの方、また売却を考えている方は、中京重機にお気軽にお問い合わせください。
アスファルトフィニッシャーにはホッパーからスクリードまで様々な役割の機能が搭載されている。
アスファルトフィニッシャーの人気機種は住友建機のAH45W。
アスファルトフィニッシャーは摩耗しやすい場所が多いため、ポイントを覚えてしっかりチェックしよう。
A.S.
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