中京重機のオフィシャルブログです。
2018 02.12
こんにちは。
重機のアタッチメントを設計・製造しているアースマシンがユニークな重機グッズを作っています。
それが、油圧ショベル用バケットの設計図を基にしたカップ「油圧ショベルバケットカップ」です。
建設・建機会社にお勤めの方へとっておきののプレゼント。ショベルマグカップ
上記のページの左側の写真のカップに入っているのは、恐らくコーヒー。
そして、右側の写真のカップに入っているのは、恐らくわらび餅でしょう。
どう見ても、違うものに思えてしまいます…。
新商品のリッパーバケットカップのページの注意書きを見ると、『リッパーバケットカップは実際の製作図面を基に出来る限り忠実に再現するため、カップとしての実用性は必要最小限度としています。』と書いてあります。
カップを作っているのに、実用性よりも再現性を優先してしまうのは、アタッチメントメーカーのプライドなのでしょうか。
もしも、このカップでお客様にコーヒーを出したらどんな反応があるでしょうね。
さて、今回は、アジア新興国への日本製中古重機の輸出・販売についてお伝えします。
中京重機は、海外にも中古の重機・建機を輸出・販売しています。
特にアジアへの輸出が多く、昨年期(2016年6月~17年5月)の輸出状況を見ると、弊社でもっとも多く輸出した国はバングラデシュでした。
一般的にアジアの新興国においては、日本国内では販売が難しい古い年式の重機であっても一定数の需要があります。
それは、日本製重機の品質が高く、古いものでも十分に利用ができる上に、手頃な価格で購入できるからです。
特にバングラデシュでは、20~30年前というかなり古い年式の油圧ショベルが好まれています。一方、手頃な価格でも年式の新しい油圧ショベルは購入されません。
その理由は、現地ユーザーが「自分たちで修理をしながら使い続けたいから」です。
近年の油圧ショベルは、機能性や安全性を高めるため、コンピュータ制御の部分が多くなっています。その部分が故障した場合、現地の環境では直せないことが多いのです。
一方で、古い年式の油圧ショベルは構造がシンプルな分、溶接など自分たちの技術で修理することができます。そのため、古い年式の油圧ショベルが好まれるのです。
このように、日本のユーザーが見ると「これは古すぎる」「廃棄処分にするしかない」と思うような古い重機であっても、輸出商品として価値があるケースもあります。
古い重機だから中古でも売れないだろうと眠っている重機が、もしかするとお宝になるかもしれません!
中京重機ではバングラデシュ以外にも、インドネシアやタイ、フィリピン、ベトナムといった東南アジア諸国に対しても中古重機を輸出しています。
油圧ショベル以外にアスファルトフィニッシャーやローラー、ロードスタビライザーなどの道路(舗装)機械やジョークラッシャーといった石質破砕機も多いのが特徴です。
東南アジア諸国は、近年インフラの整備が積極的に進められています。
そのため、道路の敷設工事に利用する道路機械や、路盤材を作るための石質破砕機の需要が高まってきています。
人気があるのはどのような機種・タイプなのかというと、日本の傾向とは少し異なります。
例えば、アスファルトフィニッシャーならば、日本で圧倒的な人気なのは4.5mの中型タイプですが、東南アジアでは6mの大型タイプが人気です。
油圧ショベルは、バングラデシュと同じく古い型式のものが人気です。
その中でも、特に「標準仕様」の油圧ショベルが人気です。
日本では、狭い場所での作業にも対応できる「後方小旋回仕様」の油圧ショベルが人気ですが、海外では、省スペースよりも安定感のある標準仕様の方が重視されます。
その他、一部局所的な地域では特定の機種の人気が出ることがあります。
例えば、ベトナムのある地域では、コマツ建機のオフセットブーム仕様の油圧ショベルが驚くほどの人気です。
なぜ、熱烈な人気があるのか弊社輸出担当者に尋ねたところ「人と噂だね」という返事でした。
つまり、誰かがコマツ建機のオフセットブーム仕様の油圧ショベルを購入したことをきっかけに、「あの人が良いと言っていた」「あの人と同じものが欲しい」という、いわゆる「クチコミ」で人気が高まるのです。
このようなケースでは、完全な指名買いになります。
「別の機種でも同等のレベルですよ」とか「こちらの機種の方が頑丈ですよ」と別の機種をお勧めしても結局聞き入れてもらうことができないのです。
このように、日本と海外では人気の傾向が違います。
そのため、日本国内にしか販路を持っていない中古重機取扱業者で受けた買取査定では「買取不可」または「低価格」と評価された機種であっても、海外に販路を持っている中古重機買取業者では、違う査定が出る可能性もあるのです。
日本では売れない古い重機や人気の低い機種も海外で売れる可能性があるのならば、もっと積極的に輸出すればいいじゃないか、と思われるかもしれません。
確かに、海外に販路を作ることで、日本国内での再販が難しい機種であっても、販売できる可能性が広がります。
しかし、需要があるからといってすぐに輸出をはじめられない事情もあるのです。
一番影響を受けるのが社会情勢です。その国の政治情勢が不安定であったり、社会基盤が整っていなかったりする場合はリスクが高くなります。
渡航に危険があったり、代金回収できない可能性が高かったりする場合は、需要があっても輸出を見合わせなければいけません。
無理をして輸出することで損失が大きくなれば、買取価格の低下や、販売価格の値上げなどという形で反映されてきます。
そうしないために、現地から需要が高まっているという情報を得ても、まずはリスクについて慎重に検討しなければいけないのです。
中京重機で取引の多いバングラデシュは、世界的に見ても銀行の信用が低いといわれています。そのため中古重機の取引にあたって銀行からL/C(信用状)が発行されても、その後に取り消されてしまうこともあります。
そのような背景のなか、なぜ弊社がバングラデシュに輸出ができたかというと、
・担当者がこの地域に詳しいこと
・これまでの経験からリスクを最初減に抑えられるようにしたこと
という理由から、ある程度のリスクは覚悟しても取引を進めようと決断したからです。
輸出を行う上で重要となるのは、
・現地バイヤーと信頼関係を結ぶこと
・より正確な現地の状況を知ること
・リスクをしっかりと見極めること
この3つです。
需要の動向とリスクを見極めて、できるだけ安全に取引を行うバランス感覚が必要となるのです。
重機・建機の売却または購入をお考えの方は、お気軽に中京重機にお問い合わせください。
バングラデシュでは、20~30年前の古い油圧ショベルが人気。
インドネシアやベトナムをはじめとする東南アジアでは、道路機械の需要が高い。
国や地域によって、日本とは違う人気機種・タイプの傾向がある。
輸出はリスクも伴うため、需要とリスクを見極めて判断するバランス感覚が必要。
A.S.
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