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2018 12.14

高性能林業機械~プロセッサ/ハーベスタの送材方式の特徴~。

投稿者: まる盛りくん5

カテゴリ: 建機建設機械買取り中古重機油圧ショベルアタッチメント木材破砕機林業ハーヴェスタプロセッサ

2018年森林・林業・環境機械展示実演会」に今年も行って参りました。 

この展示実演会、毎年秋季に行われる国民的な森林・緑の祭典である「全国育樹祭」の開催に併せ、記念行事として行われており、今年は東京都あきる野市内で1118日~19日の2日間開催。

国内外の林業機械メーカー約80社が開発・改良した最新の林業機械等を中心に展示・実演を行い、来場者数は2日間で28000人(主催者発表)と過去最高を記録しました。

特に今年の特徴としては、より高性能林業機械の自動運転化や遠隔操作化に対する取組が進んでいるようでした。

フォワーダの誘導線検知による自動走行やCAN通信遠隔操作など集材作業の省力化の実演が良い例です。

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 さて、201611月にもこの展示実演会をネタにブログを書いておりますが、「建設機械の展示会から世の中のトレンドを感じ取る。」今回はネタをぎゅっと絞って非常にマニアックな部分でご案内したいと思います。

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高性能林業機械、プロセッサとハーベスタ。

木を切って運ぶためには地形等により様々な工程がありますが、おおよそ、

立木を切る(伐倒)⇒枝を払う(枝払)⇒木の寸法を測る(測尺)⇒木を切る(玉切)

⇒切った木を集めて運搬機に積み込む(集積)⇒土場まで運ぶ(集材)

と言う工程を踏みます。

林業における人手不足対策の一環としての省人化・作業効率化の為に、近年は高性能林業機械と言われる「2つ以上の仕事を1つの工程で出来る機械」の導入が進んでおります。フェラーバンチャ、スキッダ、プロセッサ、ハーベスタ、フォワーダ、タワーヤーダ、スイングヤーダといった高性能林業機械付きの林業仕様油圧ショベルは、中京重機でも買取を行っています。

 プロセッサはこの工程の内、造材(枝払・測尺・玉切)から集積までを行いハーベスタはプロセッサの工程に加え更に伐倒までを行います

共に油圧ショベルの先端に取り付ける林業専用のアタッチメントですが、素人目には両者の区別はほとんどつきません。

林業機

 

海外ではほぼハーベスタ、国内ではプロセッサが主流です。

海外では平坦な山が多く高性能林業機械が山深くまで入り込む余地があるため、ハーベスタで、立木の伐倒まで行ってしまうのに対して、国内では平坦地ではハーベスタ、急峻地では人力チェンソー伐倒+プロセッサが一般的です。

私が住むここ東海・北陸地区も急峻地が多いためプロセッサが圧倒的に多い地域です。

このため、国内向けのプロセッサの商品化ではほぼ国内メーカーが占めています。

余談ではありますが、国内ではプロセッサ・ハーベスタで集積も同時に行うため、グラップルとしての高い能力が必要となります。

 

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プロセッサ/ハーベスタの送材方式は大きく2つ。

伐倒した原木を造材するためには材を送り出しながら枝払・測尺・玉切を行います。

この送材方式には大きく分けて2つ、回転系とストローク式があります。

回転系の中でもローラー式とクローラ式に分けられます。

 

<ローラー式(回転系)>

2つ以上の車輪が回転して接面で材を送ります。

現在のプロセッサ・ハーベスタでは主流の方式で、送材スピードは速い。

但し、硬くて太い硬木の枝払いには不向きのため、スギ材等の軟木の造材量では非常に高い能力を発揮します。

一般的に含水率の高い材の場合、送材時に皮が剥がれてスリップする事があると言われています。

又、このローラー式の中でも各社が様々な方式で特徴を出しています。 

・タイヤタイプ・・・タイヤ&チェーン

          傷がつきにくいのでブランドスギ等の造材に最適です。

**採用メーカー:イワフジ(プロセッサ)

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鉄輪タイプ ・・・スタッドローラ(鋲付鉄輪)

         タイヤタイプに比べて滑りにくく高トルクですが、材を傷付けやすいと言われています。

**採用メーカー:PonsseKeslaWaratah Komatsu Forest AB(VALMET)

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・括れローラー

**採用メーカー:Konrad(WOODY)

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<クローラ式(回転系)>

ローラ式の進化形で2つの鉄クローラが回転して接面で材を送ります。

材に対してローラー式が線接触に対しクローラ式は面接触で接材面積が広いため、一般的に高いグリップ力でスリップを防ぎ、より正確な測尺とより硬くて太い材の造材が可能です。

但し、造材スピードや材への傷つけにくさでは、ローラー式に軍配が上がります。

タイプは通常のクローラ式とよりグリップ力の高いスパイクタイプがあります。

 

**採用メーカー:Kone-Ketonen(KETO)イワフジ(ハーベスタ)、南星

 

ノーマルタイプ

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 スパイクタイプ

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<ストローク式(シリンダ式)>

油圧シリンダでアタッチメント本体が材をスライドして材を送ります。

送材スピードは遅いものの、送材力(=枝払力)が非常に高いので、ヒノキ、アカマツ、トドマツ等の硬木の枝払には能力を発揮します。

            **採用メーカー:Kesla、TapioAFM Forest

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 <ローラーストローク式(ハイブリッドタイプ)

ローラー式で送材枝払を行い、切断できない大きな枝をセンサーで検知すると自動的にストローク式に切り替わり、カッターユニットで枝を切断するハイブリッド型です。

            **採用メーカー:松本エンジニアリング

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結局、高性能林業機械は回転系かストローク式か? ・・・ 造材する木の種類で決まる。

まとめると、軟木には回転系ローラー式、硬木にはストローク式、この中間が回転系クローラ式となります。

回転系:送材スピードはストローク式に比べ2倍以上速いが送材力(トルク)は劣るため、硬木の枝払では送り直しや枝跡の凸部で測尺誤差が多く生じます。従って、スギ等の軟木系の造材に能力を発揮します。クローラ式はローラー式に比べ送材力が高いため、ローラー式よりも硬木の造材が可能です。

ストローク式:送材スピードは回転系に比べ劣るが、送材力(トルク)がローラ式の2倍以上、クローラ式の1.7倍以上と強く、後戻りがない枝払で曲がり材でも正確に測尺が可能です。従って、ヒノキ、アカマツ、トドマツ等の硬木系や枝が密集した材の能力を発揮します。

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各メーカーの造材方式別とラインナップをまとめてみました。

    メーカー        ローラー式       クローラ式       ストローク式  

イワフジ

 ○(プロセッサ、

タイヤ)

○(ハーベスタ)  
南星  

○(プロセッサ/

ハーベスタ)

 
Kesla ○(鉄輪)  
Kone-Ketonen (KETO)  

○(プロセッサ/

ハーベスタ)

 
Ponsse ○(鉄輪)    
Waratah ○(鉄輪)    
Komatsu Forest ABVALMET ○(鉄輪)    
Konrad(WOODY) ○  (括れローラー)    
Tapio    
AFM Forest       

 

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まとめ

・木の造材ではプロセッサ・ハーベスタといった高性能林業機械が主流となります。

・機械の選定にあたっては、軟木には回転系ローラー式、硬木にはストローク式、この中間が回転系クローラー式と造材する期の種類で決まります。

・当社では高性能林業機械の中古の在庫や情報を豊富にそろえておりますので、お気軽に問い合わせフォームよりアクセスをお願いします。

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