中古環境リサイクル機械「MRS-24」バラしてみた。バラすにも程があるだろ！ 編

さて、始まりました「環境リサイクル機械バラしてみた」シリーズ。今回はとくに中古重機業界でも避けて通れない問題"本体のさび腐食"に対する一つの挑戦をレポートしてまいります。

日本はよくもわるくも温帯の島国、海岸線の総延長は35,000キロにも及ぶといわれます。この沿岸地区(ウォーターフロント)や、はたまた離島(ぜーんぜん〇〇大島なんて言われる島も含め)なんかで使用される機械ってもちろん結構あって、査定なんかするとかなり厳しい状態のものがあります。とくに風を遮る高い山などがない小島では驚くことに２〜３年で鉄板に穴が開くほど腐食が進むといわれており、そんなところで使用された機械の査定ともなると売る側も買う側もお互いに申し訳なくなるような状況も少なくありません。それでも買取り商談が決まると当然中古商材として再販をしていくことになります。

そして入荷してきたのがこの「MRS-24」！！希少性が高く中古需要のある機械です。

製造年式が2007年の機械、年式的にいって相応？な状態だと思いますが、稼働時間1,800HRは実にもったいないですね。ともすると部品取りやスクラップ扱いされそうな外観だけに非常に悔しいです。

「決めました！」

徹底的に再生して今とは似ても似つかわない姿に生まれ変わっていただきましょう！

もうここまでくると、営業サイドが「どこをどうやって・・」と、いろいろ商品企画に悩むよりも、ウチのサービス部に「とにかくきれいにレストアして！」と丸投げした方が早いのではないでしょうか？メカニックを信頼して好きなように料理してもらうことにしてみました。

スクリーンは振動のかたまり、とくにロータリータイプの特徴は運転中に常に遠心力がかかり続けること。デッキの末端部分はもちろん構造体のガウジング部分など張力を大きく受けます。外板の表面的な腐食に気をとられフレームなどの構造体に入るクラックを見落としてしまっては本末転倒です。スクリーンデッキを降ろして点検や補強をすることを怠ってはいけません。いつもならクラックを見つけ出し溶接補強して完成のところが、しかしこの機械はバラせばバラすほど更なる要点検箇所が出てきます。エンジンを降ろし、コクピットフロアを降ろし、気が付いたら足回りも分解しているではありませんか！これ以上バラせますか？ってところまでやってしまいましたね。まるでビンテージカーのフルレストアをやっているよう、今回の担当メカニック"S主任"もどんどんのめりこんでいくようです。

永かった課題もついには終わりが訪れます。ここまでかかった道のりは非常に困難でした。

[作業完了報告書]には
・MRS-24 入荷後33項目点検
・メインフレーム溶接修理,製作,塗装
・中間フレーム溶接修理,塗装
・上部作業機溶接修理,製作,塗装
・投入ホッパーフレア製作取付け
・メインフレーム側偏芯ベアリング交換
・燃料タンク溶接修理,燃料コック取付け
・作動油タンク溶接修理
・エンジンオイル(同エレメント),作動油(同エレメント),エアエレメント,燃料エレメント交換
・ファンベルト交換,ボンネット交換,灯火類交換,コクピットフロア交換,シート交換
・アジャストシリンダー修理,アウトリガー修理
・各シューター製作取付け
・各種油漏れ修理,ホース/ホースライン交換
・動作確認,作動テスト

と、あります。列挙するだけで疲れてしまいました。
完成状況は添付写真をご覧ください。多くを語らずともお分かりいただけると思います。

"S主任"いい仕事をしましたね！次に手にするお客様にも喜んでいただけると思いますよ。

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