カテゴリ: 建機、 建設機械、 中古重機、 修理、 木材破砕機、 新卒採用、 中途採用、 重機の整備、 整備士、 リサイクル機械、 測定、 オリジナルパーツ、 古河製
中京重機のオフィシャルブログです。
2020 10.26
カテゴリ: 建機、 建設機械、 中古重機、 修理、 木材破砕機、 新卒採用、 中途採用、 重機の整備、 整備士、 リサイクル機械、 測定、 オリジナルパーツ、 古河製
こんにちは。2020年も気が付くと4分の3が終わり、もう11月が始まろうとしています。予測もつかないいろいろなことが起こったこの年、ぜひこれを逆手にとらえて各々の成長につなげたいですね(個人的には今年の忘年会シーズンはどうなってしまうのか心配です)。
さて、今回は環境リサイクル機械「バラしてみた」シリーズ第4弾「古河ロックドリル製FPC1700」投入フィーダー再生の分解整備をレポート致します。重機整備の面白さが少しでもお伝え出来たらなあと考えております。
古河FPC1700といえば、安定した破砕能力と度重なる改良による優れた整備性が評価の高い横入れ式木材破砕機です。この破砕機の投入ホッパーというのは、使い込むと紙か何かのように"べこべこ"になってしまうのが避けられない問題。これが能力の高い証明でもあるのです。商品化など再生修理を手掛けるときにこの部位の補修は避けて通れません。今回横入れ式自走式木材破砕機の買取査定を行いました。このベースマシン(FPC1700)も例外にもれず、この後のハードさを予感させるただならぬ佇まいをしています。
でも、ちょっと待った!事態はさらに深刻な方へ・・・。
見てもわかるように「破砕能力が高いため、どんどん供給できる」のでホッパー周りが消耗する。この理論から導かれる答えは「供給コンベアも同様に消耗」しているということ。ちょっと腰をかがめてリターンデッキをのぞき込むと、そこには・・・案の定見たくない世界が広がっていました。
伸びきった投入コンベアリンクが歴戦の激しさを物語っており、各リンクブッシュはことごとく摩耗して、遊びが出きっております。それに乗っかるフィーダープレートたちも「外したらジ・エンドですよ」と無言のうちに私に雄弁に語りかけてきます。そう、いつものように決断を迫るのです。
と、いうことで中古木材破砕機FPC1700の投入ホッパーまわりの商品化計画の内容としましては
1.投入ホッパー鋼鈑張り替え(HARDOXによる強化)。
2.投入コンベアリンク交換。
3.投入コンベアリンク交換のときにフィーダープレートを外したらなんとか再取付けしたいけど、できなかったらしぶしぶ新品に交換プランB。
の3本立てで決定しました、、、、、、
フィーダープレート取外し1個目で[しぶしぶ交換プランB]に変更を余儀なくされました(涙)。
さて、この金属コンベアですが自走式環境リサイクル機械の中では海外製大型の機械にこそ採用されていますが、小型中型の機械にはあまり採用されていません。頑丈で耐久性が高い反面、重量が増すことや搭載コストがかさむのでベルト式を採用したいのがメーカーの本音ではないでしょうか。さらに今回の機械のように駆動部分の関節であるリンクが摩耗してくると、遊びと抵抗が発生し脈動するようにスムーズに回らなくなることがあり、調整が必要になります。何よりユーザー様や重機整備工場のように保守整備をしなければならない立場で考えると、簡単に切れたりしないけど1回の出費が大きいのがたまにキズといった感じです。
金属タイプコンベアの構造
ということで純正品のフィーダープレートの見積もりは一個5万円弱。
でも、よく見るとフィーダープレートたくさん付いてるな・・・64個
んっ?! 5万円弱×64個となると相当な金額になりそうですね。
「元に戻してー」って無かったことにできないのが中古重機・建機再生の掟。
ここでまた更なる決断を迫られるのです。
そんなこんなで純正品のフィーダープレートを調べてみましょう。
フィーダープレートを調べてみます。
うーん、なかなか凝ったつくりしてるなー。先端のアール部なんて専用の曲げ治具が必要だなー。
全体を貫き強度を保つリブとリターンデッキをスムーズに流れるための底板とによって袋構造になっています。それを両サイドのブラケットでリンクとつなげてコンベア一体となって回る。強度は十分にありながらプーリーのある折り返し地点では全く接触なく滑らかに方向転換できる精度が求められます。
ここに至って(多くの理由はコストの問題をクリアするためなのですが生産が終了したFPC1700の今後の事も考えて)投入プレートフィーダーを自作再生することを考えてみました。FPC1700に限らず現役で使用されている機械の中には建機メーカーからの部品供給がストップしてしまってユーザーさんが困っているという声を聞くことがあります。調達困難なあらゆる部品のオリジナル再生を模索し、お客さまのためになることを想定して今回はこのプレートフィーダーの製作に挑むことにしてみました。
しかし、純正品を解析するに至って驚かされることは、プレートフィーダーひとつでも設計者の創意工夫がビシビシ伝わること。様々なテストを繰り返されたのでしょうか?複雑な構造設計の中にいいものを作りたいという意思が本当によく理解できます。こうなるとなかなかそっくりそのまま再生っていうことは難しいですね。さすがは世界にとどろく日本の老舗重機・建機メーカーの製品です。ずいぶん簡素化しましたがなんとか相当品を製作しました。
相当品の出来上がりです。
実際に取り付けても折り返し部の稼働具合や両サイドのガイド類との調整(寸法ミスで)にかなり四苦八苦しましたがなんとか綺麗に仕上がりました(これはウチの整備士のウデの賜物でしょうね)。
肝心のお値段の方はといえば、プレートフィーダー1個が25,000円ぐらいでできたので、だいたい半分ぐらいの予算で収まったのではないでしょうか?!
大変な作業でしたが充実した中古破砕機商品化の整備でした。今後もこんな苦労ならいくらでもやりたいですね。
お客様も具体的にお困りのことがあったら是非ご相談ください。弊社でできることは相談にのりますよ!
整備完了したFPC1700です。
・横入れ式木材破砕機の損傷しやすい部位は投入ホッパーまわり。
・頑丈な金属タイプコンベアもいつかは整備をしなければならない時が来る。
・コストを抑えるためオリジナル部品を製作する技術は供給停止した部品の再生にも繋がる。
A.S.
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