中京重機のオフィシャルブログです。
2018 01.27
カテゴリ: 建機、 建設機械、 中古重機、 舗装機械、 道路機械
こんにちは。
高速道路の新設工事は、非常に時間がかかります。
工事をしている場所を通り掛かると、今、どの段階かな??なんて気になってしまいます。
まだまだ時間がかかりそうだなと思っていたのに、ふと気が付くと立体道路が出来上がっていて、いつの間に作業したんだろうと驚くことはありませんか?
そんなスピード架設の秘密がわかる記事を見つけました。
【現場最前線】40m横断、5時間で設置! 川崎町田線横断橋桁を送り出し架設
この記事で紹介されている工事では、40メートルもの架設工事を5時間ほどで完了させてしまったそうです。
このスピード架設で活躍したのが、自走式のユニットキャリア。
巨大な橋桁をユニットキャリアで橋脚の上に設置する様子は迫力があるでしょうね。
一度でいいので、実際の作業風景を見学してみたいです。
さて今回は、道路工事には欠かせない重機、ローラーについてお伝えします。
今回のブログでは、舗装機械の中でも特に多く活躍している『ローラー』を特集しよう!と思い立ったのですが、いざ書こうと思ったらなかなか難しいのです。
中京重機でもローラーを取り扱っているので、ある程度の知識は持っていると思っていたのですが、ブログに書くには少し足りないような気がしました。
そこで、当社の会長 加藤 秀孝氏に助けを求めてみました。会長は、舗装機械や道路工事のことにとても詳しいのです。
じっくり話を聞いてみると、私も知らなかったことがあり、ローラーの奥深さに改めて感心させられました。
まず驚くのは、ローラーの種類の多さです。
ローラーの目的は地盤の締め固め(転圧)という、一見単純にも思われる作業ですが、用途によって6種類に分類されます。
〇マカダムローラー
前輪、後輪とも鉄製の車輪でできている大型ローラーで、三輪車型になっています。
ローラー自体にも重量があり、さらに水や鉄などのウエートによって重量を付加できます。
重さと鉄輪でしっかりと締め固めできるローラーです。
〇タンデムローラー
マカダムローラーと同様に前輪、後輪とも鉄製の車輪でできていますが、こちらは前後1本ずつの二輪タイプです。中型のローラーですが、前輪と後輪の振動によって強く締め固めできます。
〇コンバインドローラー
鉄製の車輪とゴム製の車輪(タイヤ)を前後で組み合わせているタイプの小型ローラーです。
鉄輪ローラーとタイヤローラーの両方の特徴を持ち合わせているため、強い締め固めから仕上げまで広い用途で活用できます。
〇タイヤローラー
前輪、後輪ともにゴム製の車輪(タイヤ)を使用しているタイプのローラーです。
前輪が3輪、後輪が4輪になっているタイプが多く、アスファルト舗装の仕上げに利用します。
水や鉄などのウエートによって重量の調整をすることも可能で、散水装置を利用すれば散水車としても使用できます。
〇振動ローラー
前後輪のどちらか、または両方が振動することで、より強く締め固めできるローラーです。
ローラー自体の重さの3~4倍の力を加えることが可能です。
「振動マカダムローラー」や「振動タイヤローラー」などもあります。
〇ハンドガイドローラー
手押し式の超小型のローラーです。
歩道などの狭い場所や部分的な補修など、中型・大型ローラーが利用できない場合に利用します。
このように、ローラーは車輪の種類や形によって、かなり細かく区分されています。
では、これらのローラーはどのように使い分けられているのでしょうか?
会長曰く
「道路で一番大事なのは路盤。路盤がしっかりしてないと、道路がすぐに歪んじゃうんだよ。だから、路盤作りではしっかり締め固めできる鉄輪の『マカダムローラー』を使うの!」
路盤を作る際、しっかりと締め固められていないと、道路が完成した後、大型トラックの走行などによってアスファルトに路面に歪みが生じたり、破損したりしてしまいます。
そこで、重量のある鉄輪の『マカダムローラー』で路盤をしっかり固めることによって、頑丈な道路が作れるのです。
しかし、それなら強く締め固められる『振動ローラー』でもいいのでは?と会長に尋ねてみると、
「すごい音がするから、住宅街で『振動ローラー』なんて使ったら、苦情がきちゃうよ!」
と答えが返ってきました。
確かに、社内でテスト運転したときもかなりの音と振動に驚かされたものです。
では、どのようなシーンで振動ローラーを利用するのでしょうか。
ひとつは、ダムや堤防など、より強固な締め固めが必要な場所の工事です。
ダムや堤防は、水圧による負荷も大きいため、大型の振動ローラーを使って、重量と振動でしっかりと締め固めを行います。
もうひとつは、大きなローラーが導入できない歩道などの路盤作りです。
小型ローラーの重量だけでは締め固めが足りない場合、振動によって強く締め固めるのです。
さらに、道路工事でローラーが活躍する工程があります。
それが「舗装面の仕上げ」です
この時に利用するのが『タイヤローラー』です。
タイヤローラーは自重やウエートの追加などによって締め固めるのと同時に、なめらかなタイヤ面で舗装表面をキレイに仕上げることができます。
また、タイヤローラーは、前後で3輪と4輪と車輪の数が違います。
これは、タイヤの筋が残らないようにするために工夫された構造です。
今回6タイプのローラーを紹介してきましたが、どのタイプのローラーも比較的単純な構造をしているので、一般的に致命的な損傷を負うことは少ない重機です。
そのため、日々のメンテナンスでも、エンジン等の動力部分のチェックなど基本的なもので十分に運用していくことができます。
ただし、振動するタイプのローラーの場合は注意が必要です。
稼働の多い振動モーターや振動ゴムの亀裂のチェックをしっかりと行うようにしてください。
また、散水装置が付いているタイプの場合は、散水ノズルの詰まりのチェックを行ってください。
そして、タイヤローラーはタイヤ接地面のチェックが大切です。
タイヤに傷や亀裂などがあると、タイヤ跡が舗装面についてしまい、舗装面がうまく仕上がらないことがあります。
タイヤローラーは3輪または4輪あるため、特に内側のタイヤのチェックがしづらいです。
ゆっくりとローラーを走行させ、タイヤのすべての面をじっくりとチェックしてください。
さらに、タイヤのエッジ部分はすり減りやすいので注意してください。
ローラーのタイヤは高額なので、少しでも消耗を抑えるためには、タイヤを入れ替え(ローテーション)しながら利用するという方法もおすすめです。
ローラーは、形式によって『マカダムローラー』や『タイヤローラー』など、6つのタイプに分けられる。
道路の路盤作りにはマカダムローラー、ダムや堤防の強固な地盤づくりには振動ローラー、道路の仕上げにはタイヤローラーが利用される。
タイヤローラーは、タイヤ部分の傷に注意が必要。
A.S.
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