中京重機のオフィシャルブログです。
2017 04.29
カテゴリ: 重機、 建機、 環境機械、 建設機械、 自走式クラッシャー、 ガラパゴス、 木材破砕機、 中古
こんにちは。
4月28日は3度目のプレミアムフライデーでした。
ゴールデンウイーク直前ということで話題になっていましたが、ちょっとプレミアムな一日が過ごせたでしょうか?
英語のpremiumには、名詞の「特別賞与や割増金、(保険の)掛け金」といった意味と、形容詞の「品質が良くて高価な、高級な」という意味があるようです。
意外とたくさんの意味を持っている言葉だったんですね。
我々“CHUKYO”が重機・建機業界のプレミアムブランドとなれるよう、日々研鑽を重ねております。
ちょっと強引だったでしょうか・・・
今回は、木材破砕機の消耗しやすい箇所について掘り下げてみたいと思います。
自走式木材破砕機は油圧やエンジンの大きな力を使って木材を破砕していく重機なので、消耗・摩耗していく部品が多くあります。
木材破砕機を長く安全に利用するためには、清掃や点検・整備等のメンテナンスがとても重要です。そして、適切なメンテナンスを行うためには、どんな部品が消耗(摩耗)しやすいのかを知ることが大切です。
それでは、木材破砕機の消耗(摩耗)しやすい箇所を説明しましょう。
もっとも消耗するのはもちろん破砕室の中にある破砕歯です。
ウイングプレート付ローターからオープン構造タイプ高硬度炭素鋼製のアンビルプレート付破砕室等いろいろ
破砕ビット、ビットホルダー(取付台座)、保護プレート(ウイングプレート)、受け歯(アンビルプレート)などですね。また、破砕ローターに加え破砕室の壁やライナー、スクリーンも打撃板の役割をしますのですり減りやすいところです。
破砕室以外では、ベルトコンベアのベルト部分やインナーローラー、タブ式ならタブを動かしている駆動チェーンやガイドローラーも消耗しやすい部分です。
意外と忘れてしまいがちな箇所がベアリングです。
例えば、エンジンならば、エンジンオイルやエレメントオイルの交換目安が提示されています。しかし、ベアリングについては交換の目安が提示されていません。
破砕ローターを保持しているベアリングにかかる圧縮応力は一定ではありません。実際の交換寿命もかなりバラツキがあるのではないでしょうか・・
そのために、あまり気にすることなく使い続けてガタつきや異音が出てしまうことがあります。
破砕ビットはその種類によって消耗時間が異なります。
通常よく採用されている「ピンチップ」を生産するための「ハンマービットタイプ」の場合、破砕する材料によっても異なりますが100~200時間ぐらいで破砕効率が落ちて要交換となるのではないでしょうか。
一方「切削チップ」を生産するための「切削カッタータイプ」のビットは、メーカーにもよりますが、8時間ぐらいでの交換が推奨されているようです。
近年、バイオマス発電所での需要から「切削チップ」を生産できる自走式木材破砕機が輸入や国産でも製造されていますが、切削カッターは木材の繊維を断ち切り、断面を直線的に(焼却炉への送り込み時にアーチを作らないように)しなくてはならないためビットの刃先にかかる負担がより大きくなります。
環境展でショーモデルの諸岡製切削ローター(研磨機まで設定がある)と切削チップ。既存の
ハンマービットタイプローターとの乗せ換えも可能。
さて、次は自走式木材破砕機のメンテナンスコストを抑える工夫です。
まず、もっとも消耗しやすい破砕機についてですが、メーカー別のハンマービットの違いについては失敗しない木材破砕機選び知っておきたいメーカーによる特徴の違い- の中で詳しく説明させていただきました。
実際、ハンマービットは高価で破砕効率が処理能力計算書等で約束されている純正部品を使うことが理想ですが、お値打ちなイミテーションパーツが発売されているのも事実です。
見た目は全く一緒なのでいろいろなものを試してみてはいかがでしょうか?
また、切削カッターも現在は1枚の価格が安価な使い捨て方式と高価な再研磨方式と2分されているようです。
諸岡MCシリーズに供給されている高硬度の切削カッターは工業用刃物の国内トップメーカーである「兼房」の製品です。約8から10回程度の再研磨に耐えられます。
いずれにしても採用しようとする木材破砕機の切削刃の枚数とメンテナンス性を考慮にいれてスペア刃をどのようなサイクルで回していくのかを検討しなくてはなりません。
破砕ローターなどの簡単に交換できない部分については、フラットバー鋼材などを溶接して摩耗しやすい部分をあらかじめ補強しておくことが効果的です。
また補強した後には破砕ローターのバランス取りをお勧めします。自動車のタイヤバランスと同じ原理で、バランス取りを行うと破砕時の振動が軽減され、フレームの亀裂等を予防できます。きっと燃費効率も上がると思います。
ビットキャリア背面、保護プレート、ローターサイドまで補強。ついでに保護カバーを再制作。
破砕ローターを保持しているベアリングへのグリスアップは頻繁にしたほうがよいでしょう。
木材破砕機の破砕ローターは高速回転することが特徴です。おそらくかなり高温になるのでしょう・・
転動体がフレーキングを起こすと「ゴー」音がでて、がたつきが出てきます。
かじりを起こすと「ガタン」音が出ます。
要交換ですが汎用ベアリングカタログで規格寸法を合わせてもこの部分だけは純正品を使ったほうがよいでしょう。
おそらくベアリングの熱処理温度が汎用品とは違うのだと思われます。すぐにダメになります。
**弊社の整備レポート(カップリングチェーンとベアリングを交換)**
スクリーン等を自作することでコストを抑える方法を採っているユーザーさんもあります。
日本製の木材破砕機の場合は、利用する鉄板の厚みが9mm程度なので、鉄板を曲げ、穴を空けてスクリーンを自作することも比較的容易です。
この場合、取り出したいチップの大きさに合わせて自由に穴の径を設定できるというメリットもあります。
(海外製の木材破砕機はスクリーンの鉄板が厚いため自作は難しいようです)
厚み9から11mm程度の普通鋼の鉄板ならレーザー加工機で切断がぎりぎり可能です。
精度も高いのでそのまま部品として使えます。
作りたい部品の採寸をして製罐加工の得意な加工屋さんに相談してみましょう。かなり調達コストを抑えられるかも・・
図面さえあればレーザー型切りで一発製作。曲げ加工は曲げ加工屋さんへ横持ち。
消耗品の摩耗を放置してしまったために大きなトラブルを起こしてしまったケースがあります。
例えば破砕ドラムベアリングにガタが出できたのを放置してそのまま利用したために、油圧モーターから破砕ドラムに力を伝達するカップリングやユニバーサルのジョイント部分のチェーンが切れてしまい、通常止まるはずのドラムが勝手に回ってしまうというトラブルがありました。
破砕ドラムベアリングに調整式のベアリングが採用されている場合、調整をし忘れたりベアリングが摩耗してガタつくと、一方に片寄ってしまい破砕室の壁にあたってすり減ってしまうこともあります。
また、ホッパーの回転を保持しているガイドローラーのライナーがすり減りガタつきが生じ、それがひどくなるとホッパーが縦に波打つようになります。
これにより、ホッパー駆動チェーンが切れてしまう、ひどい場合にはホッパーが土台にめり込んでしまう、ということもあります。
消耗した箇所の交換にはコストがかかります。しかし、音の違いや振動などから不調のサインを感じても、消耗箇所交換のコストを惜しんだばかりに、重機自体が大きく破損してより大きなコストが発生する可能性もあります。
そんなことにならないよう、日々のメンテナンスや必要に応じた部品の交換は大切です。
私たちは多くの自走式木材破砕機をはじめとする重機を販売や修理・整備の面で取り扱わせていただいていますので、『よい状態の木材破砕機』と『最悪の状態の木材破砕機』の双方を知っています。
だからこそ、音の違いやガタつき、振動などによって、不調のサインを感じ取ることができます。
不調のサインは、毎日使っていると気付きにくいものかもしれません。
木材破砕機の状態に少しでも不安や不調の兆しを感じたら、ぜひ一度お声がけください。
今回は木材破砕機の作業効率・生産性をよくする利用方法についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?
私たちは様々なお客様から生の声をお聞きしています。
困った、迷った、というときにはぜひお気軽にご相談ください。
・木材破砕機の消耗しやすい部分は破砕室内にある破砕ビットや受け歯など。
・その他、ベルトコンベアやローラー、ベアリングも要チェック。
・破砕ビットのローテーションや消耗しやすい部分の事前補強などで長持ちさせる工夫を。
・摩耗などの放置が大きなトラブルにつながることも。
・メンテナンスや部品交換が大きな出費を防ぐことにつながる。
A.S.
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