中京重機のオフィシャルブログです。
2017 05.20
カテゴリ: 重機、 建機、 環境機械、 建設機械、 ガラパゴス、 土質改良機、 中古
こんにちは。
フランスや韓国で新しい大統領が誕生するなど、ニュースでは海外の動向が多く伝えられています。
中古重機の国内販売だけでなく海外への輸出も手掛けている弊社としては日本国内の時事問題だけではなく、海外の政治情勢にも常に目を向けることが大切です。
と、いうことで・・・
今回は日本製の自走式土質改良機が海外でどのように活躍しているのかをお伝えします。
日本とは少し違う海外の土質改良機の活用事情は、日本の現場にとっても何か新しいヒントがあるかもしれません。
まず、日本では自走式土質改良機がどのような場所で多く活躍しているかをおさらいしておきましょう。
それは、湾岸・河川の浚渫(しゅんせつ)工事や高速道路工事の現場です。
掘り出した軟弱な土砂に固化材を添加して硬化させた再生土を埋め立てや盛土などに再利用しています。
日本の隣の国・韓国でも「軟弱土」に対して土質改良機を利用しているという点では同じです。
違うのは使われている場所。
韓国では、主に住宅造成工事の現場で利用されています。
ソウルなどの大都市近郊の沿岸地区に集中する韓国の宅地造成開発
韓国では、住宅建設のニーズが高まっており、そのニーズに応えるため、宅地の開拓がすすめられています。
とくにソウルなどの大都市近郊では大規模な宅地造成が行われています。
しかし、開拓されている土地は沼地や湿地が多く、地盤がとても軟弱です。
韓国の大都市圏はことごとく沿岸地区に集中しており脆弱な地盤の改良は死活問題。
そこで、安全な住宅を建築するため、行政の指導も入り、土質の改良が行われています。
この土質の改良に利用されているのが日本製の自走式土質改良機です。
実は、韓国メーカーの土質改良機がないため、日本製の土質改良機が活躍しているんですよ。
残念ながら日本製自走式土質改良機の正規輸出入(新車)のルートはありません。
そこで、われわれ中古機械商社の登場です。
買取・修理・販売(貿易)持てるすべてのアイテムを導入して韓国のユーザーまで直接機械を供給しております。
そんな中でも、韓国のユーザーは日立のパドルミキサー式の土質改良機が好みのようですね。
韓国で改良する土は粘土質なのでしょうか、「日立SR-G2000最高!」の評価を得ています。
(土質改良機のメーカーによる違いはこちらの記事をご覧ください)
◆自走式土質改良機のメーカーによる違い
高含水率地改良のためにカスタム改造された日立SR-G2000(排出コンベアはほぼ水平にできる)
ただし、導入後のメンテナンスについては悩みの種のようです。
よく起こりがちな初期のマイナートラブルはまだしもセンサー異常などの電気系トラブルや油圧パワートレーンのメンテの際は日本から出張修理に出向くこともたびたびあります。
さて、次の国はオーストラリアです。
オーストラリアでは、自走式土質改良機を軟弱土の改良ではなく、汚染土壌の改良に利用しています。
オーストラリア~シドニー~ゴールドコースト(写真はたぶんにイメージ)
オーストラリアでは、住宅などを建築する際に土壌検査を行わなければいけません。
そして、国が定める基準をクリアしてようやく建設許可が下ります。
酸性度が高い土地には建設許可が下りないため、土質改良機を使って土質を改良する必要があるのです。
目的が土質の硬化である日本では、セメント系や石灰系の固化剤を添加して土質を改良しますが、酸性土の中和を目的とするオーストラリアでは、独特な配合の添加物が利用されているようです。
実は、カナダからも汚染土壌の改良をするために土質改良機を仕入れたいという問い合わせがありました。
私たちが、「汚染土壌」と聞くと、工場の跡地が頭に浮かぶかもしれません。
しかし、オーストラリアやカナダで土質改良機が利用されていたのは、工場跡地ではなく、人里離れた田舎の土地なんです。
なぜ工場など化学的な要因がなさそうな場所の土壌が汚染されているのか不思議ですよね。
恐らく、鉱物資源の発掘による影響で環境汚染が汚染されたのではないかと考えられます。
実は、イギリスにも自走型土質改良機を販売したことがあります。
産業廃棄物の処理を行っている会社でしたが、あらかじめ土質改良機のことを調べており、すぐに購入を決めてしまわれたので、詳しくお話を聞く機会がありませんでした。
世の中にはアメリカやドイツなど、海外製の優秀な重機・建機が多くありますが、実は、海外製の自走式土質改良機のことは聞いたことがありません。
海岸線が多く、限られた土地をできるだけ有効に使わなければいけない日本だからこそ普及した重機なのかもしれませんね。
ボーマグやウィルトゲンの海外製改良機はいずれもスタビライザー形式
新キャタピラー三菱のSR126 ナカミチ社製のソイルブレンダー
日本では、浚渫(しゅんせつ)工事で利用するために 普及が進んだ土質改良機ですが、海外では日本とは違う活躍の場がありました。
日本でも、工場跡地などにおける土壌汚染の問題、地震による軟弱地盤の液状化現象など、土質に関する不安が度々ニュースなどで取り上げられています。
海外で利用されているように、汚染土壌の改良や住宅建築の基礎工事などにも土質改良機は活躍の場を広げていくかもしれません。
自走式土質改良機をお探しの場合は、ぜひご相談ください。
日本で自走式土質改良機の活躍の場は湾岸や河川の浚渫(しゅんせつ)工事や高速道路工事で出る軟弱土の硬化。
韓国では宅地造成工事で、軟弱土の硬化に活用。日本・日立製の自走式土質改良機が活躍。
オーストラリア・カナダでは、汚染土壌(酸性土)の改善のために活用。
日立・コマツの自走式土質改良機と同等の海外製土質改良機はない。
今後、自走式土質改良機の活用の幅が広がっていく可能性も。
A.S.
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