中京重機のオフィシャルブログです。
2024 08.28
カテゴリ: 建機、 中古建機、 建設機械、 中古重機、 マテハン・リフマグ仕様、 住友建機、 金属リサイクル仕様
こんにちは!
今年の夏もとんでもない猛暑でしたね・・お盆をすぎて朝晩は何となく涼しくなってきたような気がします。皆様熱中症には気を付けて日々のお仕事頑張ってください!
さて、今回は特殊仕様油圧ショベルのなかでも金属リサイクル業界で使用される機械を取り上げようと思います。リフマグやグラップルなどいろいろな仕様の油圧ショベルをわかりやすく説明しようと思いますので是非ご期待ください。
中古油圧ショベル業界で人気機種と言えばPC200や320はたまたZX200などの老舗のメーカー(コマツ,キャタピラー,日立建機)の商品が挙げられます。これまで3大財閥の流れをくむメーカーでありながらイマイチ評価がパッとしなかったのが住友建機・・でも近年その評価がぐいぐい上がってきています。5型以降のモデルを皮切りに7型ともなるとかなり高評価な価格が付いたりしています。やはりこれはターゲットを汎用的な標準仕様から特殊用途に絞り込み(応用機械と銘打って)老舗メーカーが比較的手薄としている商品の充実を図ったことが功を奏したんだと思います。実際に林業仕様やマテハン仕様は商品ラインナップが充実していて業界をリードしているような状況ですし、結果的に住友建機の総合的な評価を押し上げているようになっています。
今回ご紹介する金属リサイクル仕様の油圧ショベルもこの応用機械の一種で金属スクラップ業者が使用する油圧ショベルの軍団です。鉄を磁石で吸い付けたりグラップルでつかんで積み込みするなどマテハンと総称される油圧ショベルのラインナップを解析していきます。
金属リサイクル業者さんで使用される特殊仕様油圧ショベルってホントたくさんあると思います。分解や解体に始まり仕分けや荷役など人力ではつらい仕事を機械化でやってくれます。それぞれ意外と細かな作業が多いのでアタッチメントを工夫するなどして人間が操縦するスタイルが油圧ショベルの進化と相性が良かったように感じます。現場の工程から自動車解体機(エンジン解体機、マルチ解体機)や(大物で行けば)ジャイアントシャー切断機を取り付けたモデルなどいろいろありますが、ここでは最もラインアップの充実してさまざまな用途に細かく対応した近年のマテハン仕様の油圧ショベルに絞ってその商品性を見ていくようにします。
金属リサイクルの現場では不要となった金属製の様々な製品をリサイクル可能なようにマテリアル(素材)レベルまでに分別する作業が行われています。そして同一元素系にまで分別された素材は電気炉で溶解されて再生されたり輸出されたりしてリサイクルされますが、どちらにしても荷役/輸送するという宿命から逃れることはできません。その時に油圧ショベルの選定において明確すべきなのはそれらの素材に磁性があるのか?ないのか?⇒磁石につくのか?つかないのか?です。根本的な仕様がリフマグ仕様⇒発電機搭載タイプなのか?グラップル仕様⇒油圧配管装備タイプなのか?に直結するわけです。そして(これはどちらにも共通しますが)それらをハンドリング(取り回し+積み込み荷役)するのには広範囲に展開できる作業装置(専用フロント)が必要であることとそれらの作動エリアを完全に見渡すことのできる安全な運転席(エレベーターキャブ)が必要になることも必須条件となります。これらの機能を兼ね備えた特殊仕様油圧ショベルを総称して「マテハン機」と呼んでいますが、最近の住友建機製品はさまざまなニーズに対応できるよういろいろ選択が可能になっていて商品性を判別するのがとても大変!中古業者としてはどの仕様にどう人気があるのか知りたいのにそれらを調べるのがとても大変なのです。
かの住友建機の製品でも商品ラインナップが拡充されてきたのは3型(2000年頃~)以降でしょうか??基本的には0.7m3ベースのSH200LC/SH220LC、1.2m3ベースのSH300LC、1.6m3ベースのSH450LHDのそれぞれリフマグ仕様、住友得意のマグフォーク仕様、スクラップローダー仕様(スーパーロング)が用意されるという基本骨格が出来上がってきます。そののち5型(2005年頃~)で0.7m3の強化タイプであるSH240が追加されるなどして6型(2015年頃~)以降ではデザインも洗練されたりして本当に商品がどんどん改良されて現行の7型へとつづきます。
それでは現在のラインナップについて説明をしていきます。
現在の住友建機の金属リサイクル仕様のカタログ上のラインナップは大きく3つです。
1.マテリアルハンドリング(マテハン)仕様:[MH/MP]
2.リフティングマグネット(リフマグ)仕様:[LM]
3.フォーク付きマグネット(マグフォーク)仕様:[MF]
※このほかにもホイール式マテハン機もラインナップがありますが、、
まずマテリアルハンドリング仕様ですが、ここで住友建機がカテゴライズしているマテハン仕様とは強化したロングクローラー(標準でフラットシューとなる)の足回りにエレベーターキャブを装備した本体とロングブーム(ハイリフトできる)、ロングアームとなるフロントを装備している仕様のことを言います。具体的な機種はSH120LC-7、SH250-7(実はLC標準)、SH330LC-7、SH500LHD-7でそれぞれマグネット仕様かグラップル仕様を選択することとなりますが、マグネット仕様[MH]に第二予備配管のオプションを付け加えるとリフマグと全旋回式グラップルの両方を(取り換えて)使用できるようになります。またグラップル仕様[MP]には全旋回式グラップルの取り付けが可能な第二予備配管が装備されます。装備が重厚で以前のスクラップローダー仕様の流れをくむ特殊用途に特化した専用機ですね!その分販売価格も特別です。
次はリフティングマグネット仕様とフォーク付きマグネット仕様なのですが、その先は商品構成が細かくなるため0.7m3クラスのラインアップを中心に機種別に説明をしていこうと思います。
1..SH200LC-7
町のスクラップ屋さんで一番使用されるのが0.7m2がベースとなる機械です。まず大きく2.94m標準アーム仕様と2.4mショートアームの選択肢があり(※MF仕様はショートアームの設定が無い!)、またそれぞれに標準リフトとハイリフトのブーム稼働域が選べます。
①.LS仕様:リフマグ仕様をベースにエレベーターキャブを省いた仕様(固定ハイキャブのベース機となります)。
②.EC仕様:エレベーターキャブと第二予備配管を装備しています(リフマグ機能はありません)。
③.LM仕様:エレベーターキャブとリフマグ発電機を装備しています(第二予備配管はオプションです)。
④.MF仕様:エレベーターキャブとフォーク付きマグネットを装備しています(マグはφ1,170mmと小振りです)。
2.SH235XLC-7
安定性が重視される金属リサイクル仕様で小旋回機は珍しいですが、構内スぺ―スに限りがあるような現場では重宝されるようです。フロントは標準ブーム、アーム仕様一択でハイリフトの設定もありません。
①.EC仕様:SH200LC-7と同様です(エレキャブのリフト量は2,260mm)。
②.LM仕様: 〃 (20KVAの発電機を装備し吸着能力は920kg)。
③.MF仕様: 〃
3.SH250-7
標準ボディをベースに各部を強化したSH250(LCの表記はありませんがロングです)、25トンクラスかと思いきやLM仕様では機体質量は30tを超えます。フロントは標準仕様のみですが標準リフトとハイリフトが選べます。
①.EC仕様:SH200LC-7と同様です(上記でも“配管装備”と書いていますが実際はオプション扱いです)。
②.LM仕様: 〃 (φ1,320mmマグが標準でφ1,520mmのパワーマグが選べる)。
③.MF仕様: 〃 (3.0m標準アームと2.5mショートアームが選べそれぞれ標準リフトとハイリフトの設定がある。またリフマグサイズはφ1,370mmとなる)。
標準機ベースの金属リサイクル仕様としてはこの上に重量級モデルとしてSH330LC-7をベースにしたEC仕様とLM仕様、またSH480LHD-7にLM仕様の設定があります。
このように住友建機では様々な仕様の金属リサイクル現場に向けた特殊仕様油圧ショベルが選ぶことができます。取扱業者としてはたくさんある仕様を覚えるのも一苦労です(弊社の場合は住友建機販売さんの買い取り指定業者となっているのでこれらの査定依頼がひっきりなしに来ます・・)。最近ではほかのメーカーも追随しそれぞれの特色を活かして商品の拡充を図っていますので対応するのが大変!でもこれは現場の様々なニーズ対応するメーカーの姿勢と開発力の現れですから業界としてはとても望ましいことなんだと思います。何より現場の声に耳を傾けてマーケティングしているからこその商品ラインナップなんであっていまどき商品をこんなに選べるなんて幸せな事なのかもしれませんね。
金属リサイクル仕様油圧ショベルはこれまでマテハン機と総称されてきた。
最近ではニーズにあわせて各メーカーが詳細な仕様をラインナップしている。
基本は0.7m3機をベースに中型から大型までリフマグ仕様やグラップル仕様など様々な選択肢がある。
A.S.
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