カテゴリ: 建機、 建設機械、 中古重機、 修理、 木材破砕機、 重機の整備、 リサイクル機械、 測定、 オリジナルパーツ、 破砕ローター、 環境リサイクル機械
中京重機のオフィシャルブログです。
2021 07.25
カテゴリ: 建機、 建設機械、 中古重機、 修理、 木材破砕機、 重機の整備、 リサイクル機械、 測定、 オリジナルパーツ、 破砕ローター、 環境リサイクル機械
こんにちは!
あれほど開催が危ぶまれていた「東京オリンピック2020」もなんとかはじまりました。そんなに言うならウイルスでばったばったと選手が倒れるかと思いきや今のところ大きな混乱はなさそうですね。この日のために鍛えぬいてきた選手たちが最後まで競技に集中できることを心よりお祈り申し上げます。
さて、久しぶり「環境リサイクル機械バラしてみた」シリーズの復活です。今回はBR200T-1を題材にあの永遠のテーマに挑んでみます。
自走式木材破砕機のトラブル要因は、ほぼ破砕ローター周辺に集中しています。
異物が混入すると破砕ローターとその周辺が必ず損傷しますし、火災が発生するときも摩擦熱がこもりやすいローター周辺が火元となります。長く使っていると摩耗・劣化し異常振動の発生原因となって、著しく燃費効率を低下させます。
これらはやはり木材破砕機の最大の特徴が、破砕ローターの高速回転にあるからだと言えます。現在の木材破砕機が木質チップを生産する目的で設計されている以上、破砕機を高速回転しなければ能力があがらないからです。
1.異物混入:ローター及び構造体を破壊→混入物が無いか投入前によく確認。
2.摩擦熱源:火災発生の原因→終業前の入念な清掃が必要。
3.異常振動:システムの効率低下→「・・・・」
もうすでにお使いの方ならあたりまでのことですが、どれも大変な付帯作業が必要で、これらを怠ると大きな代償を払うこととなります。
あっ、でも3つめの「異常振動」って具体的な対策があまり知られていないですよね。
そもそも高速回転する機械なんてのはたくさんありますよね。
でも、どれもバランス調整なくしてスムーズな回転はあり得ません。
もっともポピュラーなのは自動車のタイヤホイールなんかだと思いますが、タイヤ交換をした時などバランス調整をしない整備工場はないほど常識となっていますし、調整をしないで高速道路を走ろうものなら時速100キロぐらいでハンドルに振動がでたり燃費が悪くなったりします。
木材破砕機の破砕ローターも然り!
様々なメーカーがいろいろな木材破砕機を発売していますが、破砕ローターの種類は大きく分けて2種類。
1.クローズドタイプ:ドラム形状のローターに破砕ビットが溶接されている→比較的安価で耐久性が高い。
2.オープンタイプ:組み立て型のローターで中空→破砕室の体積が有効に使え生産能力が高い。
クローズドタイプを採用しているのは、諸岡MCシリーズ/日立ZRシリーズなど
オープンタイプを採用しているのはコマツリフォレシリーズ/緑産ウッドハッカーシリーズなど
日立建機のZR260HCは専用ウエイトで調整する構造になっていたり、諸岡のMCシリーズはビットプロテクターなどの大小で微妙に調整されています。コマツや緑産のオープンタイプローターは構造的に均等な重量になるように設計されているようなのでウエイトなどはありません。
まあ、高速回転体といっても木材にバンバンあたりながら回るのでそこまでシビアじゃなくてもいいのかもしれません。でもそれはハードに使ったあとにじわじわと悪影響が出てくるのです。
中古の機械を多く取り扱っていると、メーカーが新車で設計した時点の狙いと経年劣化したその機械が本来の性能を発揮できなくなっているという状況をよく目にします。木材破砕機も例外ではなく特に理想の高い設計をする一流メーカーの機械ほどそのジレンマのギャップは大きいのです。コマツのリフォレでも経年摩耗やその後溶接補強したことによって破砕ローターのバランスが崩れてしまい、異常振動や騒音そのほか破砕効率ダウンや燃費悪化に悩むお客様の声をよく耳にします。
そこで、本来の性能に近づけられるよう中京重機がお手伝い!
中京重機では、Mitsutoyo製振動測定器を導入してドラムにウェイトを取りつけてその数値をみながらバランス調整をすることを実践しています。
[振動の3つの要素を計測]
木材破砕機の場合、振動は破砕ローターと破砕機本体の繋ぎ合わさる破砕軸ベアリング(2か所)で発生しています。そこにセンサーを取り付けて振動の大きさや要因を診断します。
①周期(どれぐらいの速さで起きているのか?)
②振幅(どれぐらいの振れ幅なのか?)
③位相(測定2点のズレはどのくらいか?)
この振動測定器ではこれら3つの要因をマイクロメートルレベルでの数値化が可能です。
㎛(マイクロメートル)という単位は、1メートルのマイナス6乗分の1(1㎛=0.001mm)→1㎛=1000分の1ミリ
熟練の技術者がバランスウエイトを溶接するなどして大体0.1ミリぐらいの上下動程度にまでに調整すると
「振動が消えた!」
と体感できるレベルに達します。
◆調整後測定値(例)
センサー1:振幅9.197㎛、位相72.7°
センサー2:振幅12.16㎛、位相54.3°
ここまでやれば、新車出荷状態に近くなり本来の破砕性能が発揮できるようになります。同時に静粛性や振動・騒音も劇的に改善されるのでクレームに対しても安心できます。
(もちろん破砕機の損傷が激しくバランスウエイト取付けだけでは振動レベルが改善されないケースもあります。その時は必要に応じ部品交換や補修などを組み合わせてできる限り振動を抑える対処方を検討します。費用や稼働の問題など許せる範囲での相談に応じた作業を致します。)
破砕ローターの異常振動や偏摩耗でお困りのお客様は是非中京重機までご相談ください。また、お客様の木材破砕機の出張バランス測定や調整も承ります。お気軽にお問い合わせください。
木材破砕機の破砕ローターには長期的に見てメンテンナスが必要。
高速回転する破砕ローターにもバランス調整は不可欠。
バランス調整することで様々なトラブルを回避できる。
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