中京重機のオフィシャルブログです。
2018 03.05
カテゴリ: 建設機械、 中古重機、 中京重機、 自走式クラッシャー、 オリジナル重機・建機、 解体、 改造
来る6月で弊社も設立60年目に突入します。
私自身でさえ入社してまだ満20年ですので、その3倍の歴史を刻んでいるのですね。
この60年という歴史は創業社長並びに先代社長を始め先輩社員の功績はもちろん、これを支えて頂いたお客様あってのことで、改めて感謝です。
この60年の歴史を紐解くと、弊社が中古建機を使用して様々な建機関連応用製品の設計・製作をしていることがわかります。
これら製品は私たちの発想が出発点ではなく、すべてはお取引先お客様の「こんなものを作ってほしい」のご要望に応えた結果です。
従って、あくまでお客様個々の受注製作にとどまり、量産までには至っておりません。
でも、この中にはメーカーに先駆けて製品化したものや非常にユニークな製品もありますので、今回は皆さんにノスタルジックな写真とともにご案内したいと思います。
自走式クラッシャー(油圧ショベル応用製品)
2号機 3号機 4号機
5号機 6号機 7号機
弊社における移動式クラッシャーの設計・製作については、私の以前のブログでも書かせて頂きました。
コンクリートガラを外に持ち出さず、現場の中で破砕処理し、解体後の現場に平らに敷き戻しすることでコストを抑えたいという、当時のお取引先のお客様のご要望に応え、1987年頃、最初の自走式クラッシャーを製作し、地元名古屋の解体業社様に納めました。
0.7m油圧ショベル日立UH07をベースマシンに + 郷鉄工S5 + 発電機の組み合わせたものです。
国内メーカーが製品化するかなり前に製品として世に出せたことは、パイオニア的存在の1社としての自負があります。
この1号機製作以降、1998年までの間に6社の解体・リサイクル業のお客様に計7台をオリジナルで製作・販売し、その内、把握しているだけで現在でも4台が現役で稼働しています。
移動式ベルコン(油圧ショベル応用製品)
中京重機で製作した自走式クラッシャーの合番機として1988年に第1号機を製作しました。
0.25m3と0.4m3油圧ショベル日立UH025,UH04をベースマシンに約10m長のベルトコンベアを架装したものです。
1998年までの間に3社の解体・リサイクル業のお客様に計3台を製作・販売し、現在でも1台が現役で稼働しています。
コンクリート建物解体専用3段ハイリフト(油圧ショベル応用製品)
名古屋市港区一州町に当時あった中部電力 名港火力発電所建屋は天井の明かり採りも含めて最大地上高が33mありました。
この建屋の解体工事を請け負った解体業者様のご要望に応じて、2.0m油圧ショベル日立UH20をベースマシンに解体仕様の専用機を設計・製作しました。
最大作業高33mの3段ハイリフトフロント、ブームシリンダにはUH30のシリンダを移植、走行フレームにはアウトリガを装備。
アタッチメントもオオスミに特注で製作を依頼し1983年12月に解体現場に投入しました。
当時ハイリフト仕様と呼べるものは、油谷重工が4段ブーム×40m仕様(ベースマシン不詳)で関東の大手解体業者様に納めていましたが、それ以外の国内油圧ショベルメーカーでは日立建機とコマツが1.4m3と1.6m3クラスのベースマシンで3段×24mが最大でしたので非常に画期的でした。
このUH20解体仕様油圧ショベルは1993年の名古屋駅旧駅舎解体でも活躍しました。
更に、その後途中でベースマシンをEX700に載せ替えて2007年9月まで稼働しました。
名港火力発電所建屋解体 名古屋駅旧駅舎解体
土留掘削機(油圧ショベル応用製品)
土留め工法の一種で、サンド・シャット・ウォール工法(SSW工法)で施工されるお客様向けに開発・製造した特殊掘削機です。
SSW工法の特徴は地面の掘削と同時に、コンクリートを打設し土留壁の設置が可能です。
従って、従来の矢板を用いた工法と比較して隣地より約50mmという狭い条件下での施工が可能ですし、建築現場の外型枠を兼ねるため工期短縮も実現できるというものです。
本掘削機は0.7m3油圧ショベルをベースマシンに、フロントをベースフレームから改造製作しました。
フロントケーシング内のビット付チェーンを回転させながら地盤を掘削し押し込んでいく構造です。
この工法を採用されている地元名古屋の建設業者様1社に対し、1982年に日立UH07-5をベースマシンにした第1号機を納品して以降、ベースマシンの入れ替えをしながら都合4台を製造、現在5台目が完成間近です。
<サービス部HP お客様の声> <投稿記事 SSWリニューアル>
ダイヤモンドコアボーリングマシン(解体仕様油圧ショベル用アタッチメント)
コアボーリング工法はチューブの先端にダイヤモンド粒子を埋め込んだコアビット(刃)を使用し、高速回転させることにより鉄筋コンクリートを穿孔する工法です。
無振動で騒音もほとんどありません。
通常は動力ユニットと一体型になっています。
建物解体において、最後に残る耐圧盤(土に接しているベタ基礎、500㎜厚程度))の解体は圧砕機の歯が食い込まないため、従来は油圧ブレーカーで圧砕機の食い込み口を作っていました。しかし、騒音や振動問題で近年は使用ができなくなりました。
そこでこの耐圧盤の食い込み口を無振動・無騒音で作り、耐圧盤解体をスムースに行えるよう、油圧ショベルの先端に取り付けて使用できる本コアボーリングマシンを設計し、2008年2月に製品化しました。
0.45m3解体仕様油圧ショベル日立ZX130Kをベースマシンに、600㎜径のコアビットをショベル本体の油圧を使い、油圧モーターで回転させるタイプです。
製作はこの1台ですが、地元名古屋の解体業者様に納品しました。
ワイヤーソー(解体仕様油圧ショベル用アタッチメント)
ワイヤーソーを使った鉄筋コンクリート構造物の解体は、地下鉄、橋梁、煙突、ビルなど様々な現場で使用されています。
ワイヤーソー工法とは、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだビーズを一定間隔に装着した”ダイヤモンドワイヤー”を切断対象物に環状に巻きつけ、水を掛けながら一定の張力と高速回転により切断する工法です。
無振動・低騒音、しかも発生する粉じんが少ないので、ビル関係の部分解体(縁切り解体)や病院、ホテルなど規制の厳しい場所での建物解体、煙突など高層物の解体に威力を発揮します。
主な構成は切断機と油圧ユニットですが、弊社では油圧ショベル用のアタッチメントとしてワイヤーソー製作を検討し、0.7m3解体仕様油圧ショベル日立ZX225USRKをベースマシンに平成20年6月製品化しました。
ワイヤーフレーム寸法2m×2mのこのアタッチメントは中京重機完全オリジナル。
製作はこの1台ですが、地元名古屋の解体業者様に納品しました。
杭抜き機(解体仕様油圧ショベル用アタッチメント)
建物の下にはこれを支える杭(杭基礎)が必ずあります。
杭の種類や工法は様々ですが、今回の対象杭はコンクリート(PC)製の既製杭です。
杭抜きとは、建物を解体した後に地中に残ったPC既製杭を抜き出す作業です。
杭抜きには以前より専用機やクローラクレーン等をベースマシンにした工法がありましたが、弊社は油圧ショベルという非常に機動性のある、又、汎用性の高い建設機械をベースマシンにして1996年に第1号機を製品化しました。
0.7m3解体仕様油圧ショベル日立ZX225USRKのアーム先端に
・油圧モーターユニット
・ケーシング(パイプオーガ)
・エクステンションアーム
を装着するタイプのPC杭抜き機です。
本杭抜き機の作業は、既存杭の外周を包み込むようにケーシングで掘削した後、ワイヤーをセットして引き上げる工法です。
アタッチメントを交換することにより1台で建物解体と杭抜きという2つの作業が出来るというメリットがあるため、特に建物解体業者様からの高い要望があったものです。
1つの現場で上物を解体仕様油圧ショベルで解体した後、PC杭抜きのために別の専用機を搬入して・・・と言うような無駄な時間やコストを掛けずに、又、現場錯綜避けて作業が出来ます。
今でこそ同じような製品は大手メーカーも提供していますが、弊社の杭抜き機はへグランド社製(現ボッシュ・レックスロス(株))の中空軸回転モーターを採用しているので、壊れにくく、杭圧入作業においても杭と土砂の間を埋めるセメントミルクをダイレクトに注入できる特徴があります。
この製品は累計5台を地元名古屋の解体業者様に販売しました。
このように、弊社はただお客様の「こうしたい」のお手伝いをさせて頂いただけでしたが、30年超経過しているにも関わらず未だに稼働している機械があることには大変驚きです。
お客様のモノ作りへのこだわりや愛着が本当によくわかります。
又、現在ではコンプライアンス上、当時のように簡単に改造や製作が出来るような環境でもありません。
ここだけの話、この設計・製作は掛かるコストという経営的側面だけで判断すればNO GOです。
それを横に置いてでも設計・製作を通じてお客様のお手伝いしたのも、お客様の成長が最終的には私たちに帰ってくるという「利他の精神」があってこそではないでしょうか。
この信念を生涯貫いてお客様と対峙した現顧問の存在は、今でも弊社において巨星のごとく輝いています。
・中京重機は60年という歴史の中で刻み込んだお客様の声を大切にする精神を引き継いでいます。
・これは今でも新しく出会うお客様に対し、誰が対応させて頂いても満足して頂ける自信があります。
・試しにどんなお問い合わせでも結構ですので、是非お気軽にお電話下さい。
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