中京重機のオフィシャルブログです。
2018 02.18
こんにちは。
こんな記事を見つけました。
舗装に地域差はあるか!?、沖縄の道路は「白っぽい」ってウワサ!?、その真相は?
沖縄の道路は、他の地域に比べて白っぽく見えて、雨天ではほかの地域に比べて滑りやすいそうです。
それは、舗装の材料に、沖縄で採取されるコーラルリーフロック(隆起珊瑚礁石灰岩)が利用されているからなのだそうです。
このように地域によって利用される材料が違うことは他にもあり、一見同じように見える道路でも地域によって特色があるようです。
材料の違いによって、工事工程にも多少の違いがあるのでしょうか?
さて今回は、中国やロシア、韓国といった日本近隣国への中古重機の輸出事情についてお伝えします。
『中古重機・建機の輸出量トップ!アジア新興国での中古重機の流通事情。 』
では、東南アジアへの中古重機の輸出が多いことをお伝えしました。
「えっ、中国じゃないの?」
と、思われた方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、かつては中国への中古重機の輸出が非常に多くありました。しかし、近年はその輸出量が激減しています。
なぜそこまで激減したのか、中国への輸出の変遷を簡単にお伝えします。
【2015年以前の中国への中古重機輸出事情】
中国経済が成長するとともに、中国国内の各地で盛んに開発工事が行われるようになりました。
それに伴い、工事に使用する重機の需要も高まり、日本製中古重機が多く流通していました。
「中国」と書いていますが、実際の輸出先は「香港」です。
日本から中国の各地域と直接取引をすることはできません。そのため、中国への輸出は香港の業者に対して行い、香港の業者が需要に合わせて、中国各地へ販売しています。
中古重機の需要が高かった2015年以前は、香港の業者が大量に日本製中古重機の在庫を抱え、必要な時にすぐに中国各地に流通できる体制を取っていました。在庫を多く持っていても不良在庫にならないと見込めていたからです。
そして中国国内で重機の需要が高まるにつれて、中国製重機の品質や生産力も向上しました。
そのため、中国製新車重機vs日本製中古重機という構図が成立していました。
【2015年以降の中国への中古重機輸出事情】
ところが2015年に大きく事情が変わります。
きっかけは上海ショックです。これによって中国経済が急激に冷え込みました。
それに伴い、開発工事の規模や件数が減り、重機の需要も下がってしまったのです。
中国製の重機の生産量が増え、日本製の中古重機も多く流通していたところに、工事数の減少という事態に陥ったことで、重機の供給量が需要を上回りました。
そのため、香港の業者は方針を一転して重機の在庫を持たないようになり、必要なときに必要なものをピンポイントで販売するスタイルに変化しました。
こうして、日本から中国への輸出量は激減したのです。
【現在・これからの中国への重機輸出事情とは】
直近では、中国での日本製中古重機の需要は回復傾向にあります。
しかし、香港の業者が在庫を持たない方針は変わっておらず、取引価格も低下しています。さらに、必要な重機は、香港の業者が日本のオークションで直接競り落としていくことも増えてきました。
つまり、中国での日本製中古重機の需要は少しずつ増えていくことが予想できますが、上海ショック以前のような活発な輸出は難しいのではないかと考えています。
広大な国土をもつ近隣国といえば、中国のほかにロシアがあります。
ロシアは、ヨーロッパに面する西側から日本海側に面する東側まで、とても広い国土があります。
日本製の中古重機の需要が高いのは、ロシアの中でも東側に位置する『極東』と呼ばれる地域です。
ヨーロッパには、有名な重機メーカーが多くあります。しかし、ヨーロッパから極東地域まで陸路で輸送すると、時間もコストもかかります。そのため、距離が近く、海路で輸送できる日本から輸入することが多いのです。
【極東ロシアで人気の重機とは】
極東ロシアは、鉱物資源が豊かということもあり鉱業が盛んです。そのため、スクリーンなど鉱業で利用される重機に高い需要があります。
その中でも大量に土砂を選別できる大型のスクリーンが人気です。
スクリーンは、大型タイプでも搭載されているエンジンは小さいので、どうしても脆弱な点があります。そのため、日本国内ではハイアワーの大型スクリーンは敬遠されることがほとんどです。
ところが、ロシアではハイアワーであっても好んで購入する傾向があります。重機の状態が良くないため低価格での取引となりますが、日本では再販が難しいものであっても、販売できる可能性のある貴重な市場でした。
【極東ロシアの重機輸出の現状】
先ほど、「貴重な市場でした」と過去形で書いているのは、現在はロシアへの輸出量が減少しているためです。
日本製中古重機の需要は変わりません。しかし、為替相場の問題があるのです。
近年、ロシアルーブルの価値が下落しているため、日本からの提示価格が同じであっても、その価値が倍近くに上昇してしまっているのです。
極東ロシアの場合、ロシアルーブルとユーロの為替、ロシアルーブルと円の為替を検討した上で、輸送コストを加味して、どのようなルートで仕入れるか決めています。
今後、ロシアルーブルの価値が安定すれば、再び日本製中古重機の輸出量も増えてくるのではないかと考えられます。
さて、最後に紹介する近隣国は韓国です。
韓国は、日本製の中古重機がよく利用されています。中でも特に需要が高いのは土質改良機です。
韓国は、日本と同様に海岸線が長いため、地盤の弱い地域が多くあります。
人口の増加などにより、宅地造成が進められていますが、地盤の弱い土地では土質改良が必要不可欠です。そのため、日本製の土質改良機の需要が高いのです。
特に日立建機の土質改良機SR-G2000は熱烈といって良いほどの人気があります。
しかし、韓国には日立建機の新車正規販売店がないため、指名買いで中古の土質改良機を求められることも多くあります。
土質改良機にこれほど需要があるにも関わらず、なぜ日立建機が正規販売ルートを作らないのでしょうか。恐らく、土質改良機の需要だけでは、正規販売ルートを確立するための労力やコストに見合わないためでしょう。
ここからは、日本にある海外メーカーの中古重機にスポットを当ててみましょう。
海外メーカーの重機は、メンテナンスに不安があることや同等の日本製重機の品質が高いということから、あまり数は多くありません。しかし、大型重機など、海外メーカーしかない重機もあるため、一定量が中古重機市場にも流通しています。
こうした海外メーカーの中古重機が極東ロシアや韓国に輸出されることもあります。
なぜ、わざわざ日本から海外メーカーの重機を輸入するんだろう?と不思議に思うかもしれませんね。
しかし、輸入をする極東ロシアや韓国から見ると、「ヨーロッパ(北米)メーカーの重機を輸入した」というだけなのです。
ヨーロッパや北米から、中古重機を輸入しようと思うと、距離が遠いため輸送コストが高くなります。それが、日本からの輸送になれば、コストが大幅に削減できます。
つまり、輸入する国から見ると、ヨーロッパや北米メーカーの欲しい重機が安い輸送コストで手に入れられる、という感覚なのです。
そのため、日本で利用されていた海外メーカーの中古重機にも、一定の輸出需要があるのです。
日本で使われていた重機はきちんと整備・補修のメンテナンスが行き届いていたものが多く、評判も上々とのことです。
今回は日本近隣国への中古重機の輸出事情をお伝えしました。
中古重機の購入または、売却をお考えのかたは、中京重機までお気軽にお問い合わせください。
・かつて多かった中国への輸出は上海ショックから激減した。直近では回復傾向にあるが、輸出量が大幅に増えることは見込めない。
・極東ロシアには鉱業用重機の需要がある。しかし、為替相場のバランスにより、近年は輸出量が減っている。
・韓国では、日立建機の土質改良機が熱烈といえるほどの人気がある。
・日本で利用されていた海外メーカーの重機にも、一定量の輸出需要がある。
A.S.
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