中京重機のオフィシャルブログです。
2021 03.30
カテゴリ: 建機、 中古建機、 中古建設機械、 建設機械、 中古重機、 アタッチメント、 解体
こんにちは。
春が来ました、社会は新年度を迎えます。昨年からコロナの影響で生活様式自体がらっと変わってしまって「ひょっとしたら今年は冬が終わらないのではないか?」などと考えてしまったのですが、やはり春は来ました!!当たり前なのですが、素晴らしいことですね。
新年度を迎えるにしても、経験豊かなベテラン、働き盛り、新人等立場によって受け取り方はちがうのでしょうが、体調に不安があったり、長年の疲労がたまって・・という人もいるかもしれません。それは重機・建機も同じこと、どこかでケアがいるかもしれません。
今回は、長年の酷使で摩耗して広がってしまった重機・建機のピン穴に対する肉盛り溶接補修”まる盛りくん”についてご紹介します。
まる盛りくんとは単純に言うと、”ピンが入る穴が広がってしまった場合に肉盛り溶接をしてピン穴の径を元に戻す。”サービスです。修理箇所がメーカーの摩耗など“減り”を想定しない部分となり、こう言った箇所の修理を必要とする客層は中京重機と同じように整備もできる業者さんや交換可能な部品であれば自分たちでできてしまう重機・建機(新車・中古を問わず)のプロの方々が多いですね。
まる盛りくんのロゴです、ご覧になったことありますか?
アーム・ブームのように部品交換ができる部分はある程度新規部品の供給がありますが、中京重機が手を加えるのはブームフート部、言い換えればアームの根元となる部品交換で対応できない取り付け部分のピン穴箇所に対する対摩耗補修が一番多いのです。以前では部品やピースが溶接されて構成されているような箇所の場合、部品の部分を切って張り替えるような修理を行うということもありましたが、そういった修理は酸素溶断で部品部分を切り落とし整えて、鉄板をどの位置にどうやって取り付けていくかによって、または部品を溶接で取り付けていく工程で周辺部分が熱をもってしまい該当箇所がリアルタイムに熱変形していくので、工作精度がどれだけ担保できるかかということも課題の一つになっていました。
それに比べまる盛りくんというピン穴の肉盛り再生修理は、自動機による切削及び溶接加工なので手作業とは違って仕上がりは精密ですので、修理しているピン穴を稼働前の状態と全く同じような状況に再現・復元できる技術です。このことを応用して全然違う箇所に同じようなピン穴を開けることもできます。
特殊な例になりますが、ブームの先端がねじれてしまってねじれを解消できないからその先に付くアームがまっすぐ付くようにブームにあるピン穴をなんとか微調整して作り直すという修理事例も中京重機にはあります。
仕上がりが精密な自動溶接加工です。
まる盛りくんで対応する部分というのはボディとメインフレームの取り付けになるブームフート部に対する修繕というのがよくあるケースです。特にメインフレームにブーム・アームの負荷がかかってくる部分です。
実際、重機・建機のカテゴリーでいうと油圧ショベルが一番多いです。リフト動作により疲労したブームフート部以外にも激しい稼働が続いた解体用アタッチメントの取付けブラケットピン穴にもよく対応します。穴の形状で言うとシリンダーやブラケットが付いているヨコ穴、アウトリガーのタテ穴等問わずに補修ができます。ほかには例えば木材破砕機等の環境リサイクル機械のべアリングが入る大きなケース箇所、重機のサイズだとミニショベルから大型のブルドーザーまで修理が可能です。
超大型ブルドーサーの縦軸受け穴、環境機械のベアリング、油圧ショベルのブームフート部等
あらゆる箇所に対応できます。
一度まる盛りくんで修繕した後どれくらいもつかという質問を受けることがありますが、基本的には新車で買って肉盛り補修が必要になる状況になるのにかかったアワメーターがそのまままる盛りくんでの修繕した後の耐久時間になるでしょう。新車で重機・建機を購入して3000HRぐらい利用してガタが発生してまる盛りくんでの修理したとして、一応理論上は修理後に同じ程度の時間は重機を再度の修理が必要になるまで使えるはずです。
また一つの重機にまる盛りくんで何回ぐらい修理ができるのかという質問も受けます。同一箇所のピン穴再生施工は何度も可能ですがその重機の部品供給があることが前提となります。相手側にブッシュが入ってる構造ならばなおさら大丈夫でしょう。現実的にはエンジンなど他の箇所が悪くなってくることが考えられますが、そういう部分に関して言うと部品やその他のものがあるならばまる盛りくんで再生することはできます。
極端な話ガタが発生しすぎて引きちぎれて曲がった重機の修理例もあります。ガタがありすぎて引きちぎれしまって、ピン穴自体なくなってしまった場合に、鉄などで溶接したり埋め戻したりしてある程度の形を戻した上で穴をまる盛りくんで精度を出して製作しました。基本的に摩耗が進んで楕円形の穴の進行が進んでしまってもまる盛りくんで修繕することができます。ピンが1.5本ぐらい入るぐらいに広がってしまってもまる盛りくんで修繕ができるのです。
アーティキュレート式ホイールローダーの場合などは車体が真ん中で屈折してステアリングが機能していますが、センターピン穴に摩耗が発生したからと言ってメインフレームを変えると車体番号を変えてしまうというレベルになってしまいますし、感覚に頼った手作業による補修ではブラケットの上と下の穴にピンがスムーズに通らないなど精度が出ないという状態になりがちですが、そういった困難な箇所もまる盛りくんで再生ができるのも魅力なのかもしれません。他の手段で修理した場合、そこは精度が出せなくて機械の価値がなくなり廃車するしかないという事態を回避することができるからでしょう。そこからガタが進行すれば真ん中から端がバキッと折れてしまうのでホイールローダーに関してはその状態になる手前の段階で修繕しないと修理レベルが高くなるかと思います。油圧ショベルなどはだいぶひどいものでも修理できると思われます。
中京重機ではピン穴の摩耗対策として、エクスパンダーというピン型の製品も取り扱いしています。お互い似た摩耗への補修手段です。どちらの技術も稼働現場での修理・取り付けもできますのでスピ-ディーな対応もできますし、ガタツキをなくすので、作業現場での騒音の防止や重機・建機の耐用年数を延長などができます。
さて、”新車で重機を導入してずいぶん使ったがどの程度の摩耗までエクスパンダ―で行けるのか?どの程度の摩耗からまるもり君で行った方がいいのか?”とか”新車購入時には摩耗等が発生する前にエクスパンダーを導入してもらえばピン周りを損耗から防ぐ効果が多きい”などまる盛りくんとエクスパンダーの使い分けに関してのお話を少しします。
重機を現場で稼働していて摩耗してピン穴周りが減ったのであればまる盛りくんで修正したほうがよいかと思います。エクスパンダーでも対応は可能ですがピン穴が楕円形になってしまっているものはまる盛りくんで対応した方がきっちりと治せるかと思います。エキスパンダーはテーパー状のピンを入れるので本当にがっちり固定するために隙間もなくなるので削れてピン穴が摩耗して減ることもありません。稼働中の重機に関してはまる盛りくんでちゃんと精度が高い修繕を行いピン穴がきちんとした円形になった段階で、エクスパンダーをいれると摩耗の再発予防としては万全の対応かと思います。
まる盛りくんとエクスパンダー、適宜使い分けができます。
N.N.
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