カテゴリ: 建機、 中古建機、 中古建設機械、 建設機械、 中古重機、 修理、 アタッチメント、 工場、 重機の整備、 整備士
中京重機のオフィシャルブログです。
2021 06.18
カテゴリ: 建機、 中古建機、 中古建設機械、 建設機械、 中古重機、 修理、 アタッチメント、 工場、 重機の整備、 整備士
こんにちは。
春が過ぎたころ、今年は例年より早い梅雨を迎えました。それからなかなか梅雨らしい雨は少ないのですが、それでもやはりしっとりとした午後の空気の中、仕事を進める日も多くなります。
換気(こちらはすっかり日常の光景になりましたが。)を行う際に涼しさを感じさせてくれる雨は、恵みともいえるものですね。
ですが、現場で作業を行う整備士にとっては果たして..?
以前に整備士のフレッシュマンに覚えてほしいことについて中京重機の整備士T.Iさんに話を聞きましたが、
今回は中京重機のサービス部で、今一番脂がのっている整備士T.Sさんに整備士のキャリアについて話を聞いてみました。整備士T.Sさんは、以前にもサンド・シャット・ウォール工法に対応した堀削建築機械SSW-1の記事にも登場して頂いた、中京重機の整備士さんです。工場の要のような存在で、出張整備等で活躍する傍ら、後輩の指導等にも熱心に取り組んでいます。今回も重機整備についてわかりやすく話してくれました。
T.Sさん
新入社員や中途社員として技術者・整備士の世界で働き始めてから何年か経つと、いわゆる中堅どころといわれる扱いを受けるようになると思います。そこで中堅どころといわれるメカニックの仕事内容は何か、何を指して中堅とするかいうことが問題になってきますね。
重機整備の世界では持っていたい資格の基準といわれるのが一応はあります。例えば2級整備士の資格を持っていて、ディーゼルとガソリンのエンジンを触れるというようなものになります。ですが、重機整備の現場では「整備・修理に関してどのような役割・経験が問われ、それが部門の中でのどのような立ち位置に相当するか」という概念は割とあいまいなところがあるかもしれません。整備士という職業は職人がたきといわれるように、技量があればかなり自由に仕事ができる職種です。どうでしょう?周りから中堅という位置づけで見られても、毎日自問自答しながら手探りで少しずつ前に進んでいく、そういう整備士も多いじゃないんでしょうか?
私が考える中堅どころの業務の内容ですが、特に「仕事の段取り、例えばどの重機の修理を行うか」、「どういった手順で整備を行うか」、また「整備の結果どの水準にまで重機を仕上げていくか」ということを自分で決めたり、お客さんとの交渉を通じて決定すること。こういった事柄が中堅と言われる技術者の業務のうちの一つかと考えています。簡単に言うと、ある程度整備の内容について自分で決めることが出来ることが、ある一定以上の経験を持った整備士には求められるんじゃないでしょうか?例えば「どの水準にまで重機を仕上げていくか」についてすが、中京重機は中古重機のディーラーですので、仕入部隊が買い取った中古重機を整備してお客様が問題なく使用できるような水準までもっていくというのが我々整備士の仕事の一つです。際限なく整備をすると原価が上がってしまい、お客様から頂く代金は高くなってしまいますので、そのバランスをとった整備内容を考えなくてはいけません。ですが重機として必要な機能を担保することは整備士として最低限必要なことです。そこで営業担当とコミュニケーションをして「重機が魅力ある商品として通用するためにどのレベルまで整備を行うか」という合意を行います。
外部との修理内容のすり合わせは重要です。
修理の技術や重機が動くメカニズムを知らない人に対して整備の必要性をどれくらい理解してもらうかというのが必要でなおかつ面白い部分です。これは中古重機ディーラーの整備士だけに限ったことではなく、どのような整備士にも言えることではないでしょうか?また知らない人に重機の整備を説明するというのは、自分の整備のポイントを振り返ったり、修理が必要があるかを相手の身になって考えることができる機会でもあります。そんな感じで周囲と話し合ったり、指摘も受けたりして自分の力を伸ばしていけるのかもしれません。
中京重機に限って言えばどのメーカ-の重機でもどんな年式の建機でも整備を行うというのがお客様にとって魅力的な部分でしょう。どれか一つに秀でているというのではなくどんな分野でもある程度の水準までこなせることは一人前であることの条件かもしれませんね。陸上競技にたとえるなら世界新記録を保持する短距離走の選手ではなく、十種競技のプレーヤーを目指すといった意味合いでしょうか?
メーカー・カテゴリーを問わない修理が中古重機ディーラーには必要です。
溶接、油圧関連知識、そういったトータルバランスをどれぐらい向上させるかということは、いろんなものを少しずつ吸収していった結果、初めて到達するステージですね。言葉にするとすごくハードルが高く聞こえてしまいますが、私自身いろんな重機を見ていく中で、先輩社員やメーカ-の方、たまにはお客さんからも育ててもらってきましたから、毎日の仕事を落ち着いてこなしていけば、問題なく身についてくるものかななんて考えています。
重機の整備自体に限った話に戻しましょう、基本的な建機、重機の動きというのは人間の動きとは異なり限定的な動きになりますね。修理で持ち込まれる、もしくは現場で動かなくなっている重機を見た結果、「何かを掴んで旋回して、こちら側に落とす。」というような実際の現場で稼働しているイメージを頭の中で立体的に再現できる能力、これが一人前の整備士としては必要になってきますね。またカバー等を開けずに、重機をバラスことなく内側の仕組みが現在どうなっているかという予測、診断を行うことができるというのも必要な技量の一つかと思います。
ものすごく内部機構が複雑な重機は除きますが、重機を分解せずに故障個所・原因を割り出すことはとても大切なことです。分解しなくては故障状況がわからないとなると、道具や人手がもっと必要になったり、さらには現場で作業できずに工場への搬入する等の手間なども増えてしまいますね。何よりもお客様から重機の稼働時間、言い換えればその間の売り上げを奪ってしまうことにもつながります。
分解には多くの時間と人員が必要になることもある。
重機の整備が自動車などの整備が違う点について話します。自動車の場合は機械の稼働部分や稼働の大きさは限られますが、重機の場合はアーム・ブームなどの動作する箇所が多くなおかつ負荷が大きくて重いということが異なる点です。負荷が大きい整備という点では油圧からみの整備が代表的なものでしょう。油圧シリンダーで動かされて実際動く油圧周りの箇所(特にピン周り)が整備・修理が必要になることが多いのです。重機の整備は走行部分よりも作動部分の方が整備の手を入れることが多いのですね。
現場に向かう準備が完了しました。
重機と他の自動車などの整備との違いは他にもあって、自動車整備は工場に持ち込まれる場合が多いですが、重機の場合は稼働していた現場に出張して修理を行うケースがとても多いです。整備のための設備が整っていない場所の中で、まずは整備・修理ができる環境を作り出すことが作業の第一歩だったりします。限られた条件の下でどこまでしっかりした整備ができるかという工夫のようなものが経験値・スキルのうちの一つになりますね。電源がない場所での溶接なら発電機を持ち込む、クレーンがない場所で何かを吊らなくてはいけないのであればユニック車なども使うことなどです。応用をしていくというのが出張整備の面白い点かと思います。私自身決まり決まった業務をこなすだけというのは、あまり魅力を感じないタイプなので、車の車検を毎日しっかり仕上げ続けるというよりかは、変化に富んだ重機整備はやりがいのようなものを感じて易いですね。
・・いかがでしたでしょうか?自分の仕事をイメージしてそれに基づいてアクションしていくというのは、どんな仕事にも共通しているのはないでしょうか。整備士ではない私にわかる言葉を選んでT.Sさんは優しく教えてくれました。またT.Sさんの話をお届けします。
ある程度整備の内容について自分で決めることが出来ることというのが、ある一定以上の経験を持った整備士には望まれる。
重機の整備では、診断力、現場での対応力が求められる。
N.N.
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